退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『資金源強奪』(1975) / 深作欣二監督の痛快アクション映画

新文芸坐セレクション Vol.4 絶対に観てほしい活劇 電光石火の24本!》で映画『資金源強奪』(1975年、監督:深作欣二)を鑑賞。主演は北大路欣也。深作監督はひらがなで「ふかさくきんじ」名義でテロップされている。

8年ぶりに出所したチンピラ武司(北大路欣也)は、羽田(安部徹)組の世話で温泉旅館で垢落としをするがヤクザ家業からきっぱりと足を洗うという。しかし実はムショ仲間の別所(川谷拓三)と小出(室田日出男)と組んで羽田組の資金源強奪を計画していた。花会の当日、3人は羽田組主催の賭場を強襲し3億5000万円の強奪に成功する。羽田組は停職中の刑事・能代(梅宮辰夫)に資金の奪還を依賴するが……。


資金源強奪(プレビュー)

冷静に考えると資金強奪プランなど大雑把なストーリーはどうかと思うが、そうした細かいことはどうでもよくなる痛快なプログラムピクチャー。

出演者たちに勢いがあるのがよい。スター路線の北大路欣也と、大部屋役者の川谷と室田の取り合わせが面白い。なんとなく北大路が浮いていたような気がしたが……。大阪が舞台ということもあり梅宮のコテコテの極道デカぶりも楽しい。みんな若いね。

裏切りでコロコロ変わる人間模様でテンポよく最後まで見れる。ラストの空港での搭乗手続きのシーンも洒落ている。面白ければ何でもアリという映画で深作監督らしい一本。