退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

水谷豊主演のドラマスペシャル「無用庵隠居修行」がまずまずだった

年末年始に録画したテレビ番組を消化中。テレビ朝日で放送された水谷豊主演のテレビ時代劇「無用庵隠居修行」を見た。もともとはBS朝日で放送された番組だが、年末に地上波でも放送された。

海老沢泰久の短編時代小説の映像化作品。直参旗本の日向半兵衛(水谷豊)が隠居生活を始めて、気の置けない仲間たちとともに事件を解決するという話らしい。ぼんやりと隠居しているが実はデキる人物だという点では「三屋清左衛門残日録」などと同じ系譜に連なる。

無用庵隠居修行 (文春文庫)

無用庵隠居修行 (文春文庫)

登場人物には主人に世話を焼く用人の勝谷彦之助(岸部一徳)やお転婆の出戻り・奈津(檀れい)がいる。これに水谷を加えた3人の掛け合いが楽しい。気軽に見れる良質の時代劇に仕上がっている。隠居してるのに用人がいるのは不思議だが……。

ただ水谷豊が出てくると、時代劇であってもどうしても「相棒」の杉下右京と重ねてしまう。彼一代の当たり役なので仕方ないがどうしても気になる。あと時代劇は最後は立ち回りになるが、殺陣がぎこちないのも難点。こればかりは経験がものをいうから止む終えないのだろうがやや物足りない。

この時代劇の見どころは三人の軽妙な芝居にあるのだろうが、単発ドラマではまだまだこなれていない。熟成が必要だろう。続編があるかわからないが、あと何作か見てみたい時代劇ではある。