退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『コンボイ』(1978) / アメリカ版「トラック野郎」だけどスケールがちがうぜ!

新文芸坐の《新春名作劇場 銀幕の戦う男たち》という企画で映画『コンボイ』(1978年、監督:サム・ペキンパー)を鑑賞。併映は『戦争のはらわた』だった。正月からペキンパー2本立てとは縁起がいいと言いたいところだが、2本選ぶなら『コンボイ』ではなく、まず『ワイルドバンチ』だろうと思ったが仕方ない。

この映画は、アメリカ版「トラック野郎」というと乱暴すぎるだろうが、アメリカン・トラッカーを題材したアクション映画。悪徳保安官・ライル(アーネスト・ボーグナイン)に目の敵にされているアウトローのダック(クリス・クリストファーソン)が、不当に拘束された仲間を救出するために、CB無線で集まったコンボイとともに大暴れするというストーリー。


Convoy (1978) - HD Trailer [720p]

カウボーイをトラックドライバーに置き換えると、西部劇の現代版とも読み取れる。アウトローの「カウボーイ」が大暴れした挙句、メキシコに逃亡しようとするあたりはまさに西部劇の流れである。アメリカ人にはこういうのがウケるのだろうか。

ただ、せっかくトラックを題材にしているのにロードムービーではないのが残念。いったい何をしたいのか、どこに行くつもりなのかよく分からない。アウトローが社会に対する不満を爆発させるという単純なアクション映画になっている。この当時の時代背景が分かると、この映画をもっと深く理解できるのだろうか。

この映画はストップモーションの多用などバイオレンスの名匠であるサム・ペキンパーの作風がよくあらわれているが、全般的に大味なのでアクション映画として何も考えずに観るのがよさそうだ。また登場人物が少ないこともあるが、人物描写がよくできているのは美点である。

今回は大平原を疾走するコンボイを大きなスクリーンで見れたのでよしとしよう。とくにアバンタイトルの雪の残る壮大な自然のなかをトレーラーが疾走するシーンは必見。アメリカは広い。日本映画では撮れないシーンだろう。

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ちなみに菅原文太主演の『トラック野郎』シリーズが始まったのは1975年なので、東映が本作をパクったわけではないようだが、CB無線で仲間と連絡を取りながら疾走することや、反権力という点では共通している。ただしデコトラは日本独自の文化(?)のようだ。