退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

新文芸坐の値上げで思ったこと

今月から池袋の名画座「新文芸坐」の入場料金が値上げされた。一律50円の値上げである。詳細は以下のとおり。

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値上げについては、前から案内が出ていたので驚かなかったが、実際に券売機で入場料金を払うとときには少し抵抗があった。私の記憶では入場料金が1000円だった時期が長かったように思う。そのときは1000円札を券売機に入れてチケット買うのは分かりやすくてよかったが、1050円になりコインを用意するのが面倒に感じた。今回はさらに1100円に値上げである。価格の問題というより気分の問題もあるかもしれない。

また最近はどうしても動画配信サービスと比べてしまう。最近Huluを解約してAmazonプライムビデオを見始めたが、コストがあまりにも違いすぎて愕然とする。今回キャンペーンだったのでAmazonプライム年会費2900円だった。月額250円にも満たない。しかもAmazonプライムビデオ以外のサービスも利用できる。ラインナップもおまけの動画配信サービスと侮れないほど充実しているので、圧倒的な「価格破壊」である。

しかし、映画館の広いスクリーンで映画と見ることと、自宅のしょぼい環境で映画を見ることはまったく違う体験であることも事実である。私はなるべく映画は映画館で見たいと思うが、コストを考えると名画座のハードルは高くなった。また昔のように金がない学生が名画座に通って映画を見まくることも少なくなったように思う。実際、新文芸坐の観客の年齢層はかなり高い。観客の高齢化も大きな課題だろう。まあ高田馬場早稲田松竹は客層が若いように思えるので、立地によってもちがうのかもしれない。

打つ手は限られているように思うが、新文芸坐について言えば、オールナイトのアニメイベントは好評のようである。アニメなんて家で見ればいいじゃないと思うが、なぜか週末の夜にアニヲタが集まってきて、いつもSOLD OUTである。これがどの程度、経営に寄与しているかわからないが、名画座の生き残りにためにアニヲタの資金力に期待せざるを得ないのも皮肉な気もする。

余談だが、入場料金の値上げとタイミングを合わせて、劇場の椅子が新調された。鮮やかな赤である。最初館内に入るとき感動した。しかし銀座シネパトスは同じような赤い椅子が導入されたあと、しばらくして閉館したことも同時に思い出した。ちょっと縁起が悪いというと心配しすぎだろうか。

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どう考えても名画座の将来性は明るくない。少なくとも今後伸びていく産業分野でないことはまちがいない。それでももう少しはがんばってほしいと切実に思う。