退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ブラッド・ワーク』(2002) / クリント・イーストウッド監督による手慣れたクライム・サスペンス

新文芸坐の《ワーナー・ブラザース シネマフェスティバル PART2 クリント・イーストウッド編》で映画『ブラッド・ワーク』(2002年)を鑑賞。監督・製作・主演クリント・イーストウッド

クリント・イーストウッド監督作品は好きだが本作は初見だった。ストーリーは以下のとおり。

FBIの捜査官テリー・マッケイレブ(クリント・イーストウッド)は、連続殺人犯を追跡している最中に心臓発作のため倒れ、犯人を取り逃してしまう。FBIを退職して心臓移植を受けたマッケイレブは、港のクルーザーで生活していた。ある日、グラシエラ(ワンダ・デ・ジーザス)と名乗る女性が表れ、妹が殺された強盗殺人事件の捜査を依頼する。マッケイレブは依賴を断ろうとするが、殺された妹が移植された心臓のドナーであることを知り、殺人事件の結果、自分が生かされていることに葛藤を覚え依賴を引き受ける。

捜査の結果、犯人はかつて取り逃したサイコキラーであり、マッケイレブを生かすために殺人を繰り返していたことを知る。さらにサイコキラーは、となりのクルーザーに住み、これまで捜査を手伝っていたノーワン(ジェフ・ダニエルズ)であることを突き止める。ノーワンと対決し彼を射殺したマッケイレブは、グラシエラとその甥とともに新しい生活を歩み出す。


Blood Work - Theatrical Trailer

ざっくりこんな話しだが、よくできた緻密な脚本で楽しめる。サイコキラーがライバル視する捜査官を助けるために殺人を繰り返すという着想がユニーク。おそらく原作の小説が面白いのだろう。

出演者では、敵役のノーワンを演じたジェフ・ダニエルズの演技がすばらしい。正直言うと、見ているうち途中で犯人がわかってしまったが登場人物が少ないので仕方ないだろう。

サイコキラーをつきとめて、対決の末に射殺するという一連の流れは、往年の「ダーティ・ハリー」シリーズを彷彿させる。この作品が、最後のクリント・イーストウッド主演のクライム・サスペンス映画となりそうなことを思うと味わい深い。