退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』(2012) / 独ソ戦車戦を描いたロシア映画

K's cinemaの《彩プロ30周年記念特集上映》という企画で、映画『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』(2012年、監督: カレン・シャフナザーロフ)を見てきた。第二次世界大戦西部戦線のおけるドイツ戦車とロシアの戦いが描かれる。

ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火 [DVD]

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B級戦争映画かと思いきや、第85回アカデミー賞外国語映画賞に出品されるなど制作側はいたって真面目らしい。というものの、見どころはミリタリーファンの熱い注目を集めた戦車戦。ロシア軍の協力も本物の戦車が続々登場する。T34車内からの映像も臨場感があってよかった。

加えて実物大で可動するタイガー(ティーガー)戦車を完全再現としたドイツの重戦車「ホワイトタイガー」の勇姿は必見。この怪戦車がソ連軍の戦車部隊を壊滅させるシーンは実に見ごたえがある。まあ「ホワイトタイガー」の速射性能がすごすぎるだろとツッコミを入れたくなるが、細かいことは気にせず楽しむのたよいだろう。映画館で上映される機会が少ない作品だろうが、今回大きなスクリーンで見れてよかった。

この映画には、記憶を失った代わりに特殊能力を得るソ連軍の戦車兵やラストのヒトラーのモノローグなどドラマとしての演出も興味深くメッセージ性も強い。製作者側としては、いまのようなミリオタ御用達のB級戦争映画としての評価は不本意だろう。

またハリウッド映画ならば、やたら人間ドラマを強調した盛り上がりを無理やり織り込んでくるのだろうが、本作にはそうした演出は感じられず淡々とオカルトとも思えるストーリーが進んでいくのはロシア映画ならでは味わいだろう。戦車映画はロシアに限る。


映画『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』予告編

上の予告編では英語が使われているが、本編ではロシア語とドイツ語が使用されている。何を言ってるかまったく分からないがロシア語の響きも本作に彩りを添えている。

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余談だが、今回の上映館はK's cinemaというテナントビルにあるミニシアターだった。ここは2002年に閉館した新宿昭和館の跡地として記憶にのこっている。かつては男気のある古い日本映画を中止に上映された名画座だったが、K's cinemaではその路線は踏襲されず、文化系というかオサレ系のプログラムの印象があり自然と足が遠のいてしまった。近くにあったウェンディーズハンバーガーを買って足繁く通ったものだが、それも遠い昔になってしまった。

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