退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

テレビアニメ『ラーゼフォン』をひさしぶりに見たが、なるほど分からん…

連休中にひさしぶりにテレビアニメ『ラーゼフォン』(全26話、監督:出渕裕)をに見た。2002年にフジテレビで放送されたSFロボットアニメ。

異次元からの来訪者「MU」は、東京を絶対障壁の半球に閉じ込め外部と隔離してしまう(TOKYO JUPITER)。その中で暮らす高校生・神名綾人(声;下野紘)は障壁の外に出て覚醒し、巨大な神像ラーゼフォンと一体化してMUと戦うことになる。TOKYO JUPITERの内外で時間の流れが違うのがミソ。綾人は時間調律師として世界を救えるのか……。と、いった話。

以前見たときなるほど分からんと思っただが、今回もやはり説明不足の感は拭えない。よく練られている設定なのだろうがなかなか頭に入ってこない。面白くないかと言えば、そうでものなく好きなアニメのひとつだ。雰囲気に見るアニメだろう。

このアニメを「出来損ないのエヴァ」と辛辣に批評する人も多い。たしかに紫東遙(声:久川綾)はヘアバンドを巻いた、葛城ミサトと言われても仕方ないキャラデザインだし、敵の巨大兵器(ドーレム)との戦闘シーンにもエヴァ使徒との類似点をいくるも指摘できる。

エヴァ以降、影響を受けなかったアニメはないだろうがそれにしてもひどい。「とりあえずエヴェみたい」作ってよ、という製作側のおエライさんからの注文があったのかなかったのか……。

それでも、主人公があやつる巨大ロボット兵器「ラーゼフォン」の造形は見事。さらに「ライディーン」を丸パクリした設定も往年のアニメファンを惹きつける。しかし最終決戦で大暴れすることもなくおとなしく終るのは残念だが……。

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このアニメの最大の魅力は「音楽」だろう。オープニングテーマ「ヘミソフィア」は、菅野よう子坂本真綾の黄金コンビによる名曲だし、橋本一子が劇伴を担当しているのも個人的にはポイントが高い。ちなみに橋本一子は、主人公の母親役で声優としても出演して周囲との温度差が面白い。アニメ自体、ロボットのパイロットを「奏者」と読んだり、ドーレムの名称が音楽用語からの借用だったり、音楽との結びつきが強いものも洒落ている。


RahXephon - Opening (OP) ver. 2

しかしアニヲタがこぞって知識を披露したがるWikipediaにも、満足できる解説が上がってないところを見ると、やはり説明不足なアニメだろう。いろいろ惜しいアニメだが、『ラーゼフォン 多元変奏曲』(2003年)というタイトルで映画化されるほどには支持を集めた。こちらも機会があれば見直してみたい。