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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『聖の青春』(2016) / 夭逝した村山聖を描いたノンフィクション小説を映画化

映画

映画『聖の青春』(2016年、監督:森義隆)を鑑賞。原作が好きなので映画化されると聞いて楽しみにしていた作品。近くのシネコンに上映はなかったので、少し遠くのターミナル駅近くのシネコンで鑑賞。中規模程度の上映規模だろうか。原作を読み直してから出かける。

本作は、将棋棋士村山聖(むらやま・さとし、1969-1998年)を題材にした大崎善生のノンフィクション小説の映像化。原作を読んでから映像化作品を見るのには勇気が要る。がっかりしたときの徒労感が半端ないからだ。

今回はなかなかよく出来ていてひどくがっかりするということはなかった。が、残念だったのは大阪での村山聖松山ケンイチ)と森信雄(リリー・フランキー)の師弟の共同生活が描かれなかったこと。映画における師弟関係が思っていたのより希薄だった。

原作ではいちばん好きな場面だったのだが、映画の尺を考えるとやむを得ないところだろうか。最近の日本映画で流行りのように二部構成にして、前篇は少年期と上京前ぐらいまでの配分で映画化されたらよかったのにと思った。


11月19日(土)公開 映画『聖の青春』予告編

村山を演じた松山ケンイチは体重を増やして役作りしたというが、さすが大河ドラマで主演を務めただけの堂々たる演技でよかった。ただどうしても命を削るようにして生きていた村山の薄幸い様子は出ていない。病床で伏していてもどこか生気に満ちているように映った。

しかもデカすぎる。羽生善治を演じた東出昌大をデカかったのでバランスもあるのだろう。いまの役者は総じて大柄すぎる。こうした実在の人物を演じるときには違和感がある。

さらにヒロイン不在なのも現代の映画としては弱いかもしれない。若い女性は古本屋の店員が登場するぐらい。

それでもその原作を咀嚼してうまく映画化されている。将棋に馴染みのない人もぜひ見てほしい。青春映画の秀作としてオススメできる。

映画チラシ 聖の青春 松山ケンイチ

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