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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ハイ・ライズ』(2015) / タワマンの映画。今年見たなかで最も難解な映画だったかも…

映画

新文芸坐の年末恒例企画《シネマ・カーテンコール 2016》で、映画『ハイ・ライズ』(2015年、監督:ベン・ウィートリー)を鑑賞。巨匠 J・G・バラードSF小説「High Rise」(1975年)の映像化作品。年末だが今年見た映画のなかで最も難解だった映画のひとつ。予告編に釣られてしまった。

ハイ・ライズ[Blu-ray]

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「ハイ・ライズ」(High-Rise)というのは高層ビルの意。はっきりと示されないが70年代のロンドン郊外が舞台らしい。

大学で教鞭をとる生理学者・ロバート・ラング(トム・ヒドルストン)40階建ての高級タワーマンションに引っ越してくる。そのマンションはスポーツジム、スーパーマーケット、プールなど生活に必要なあらゆる施設が整備されていた。しかし上層階に行くにつれ住民が富裕層になっていくため下層階の住民は不満を募らせている。そうしたなか設備の初期不良と思える停電や断水を契機に下層階の住民の不満が爆発しマンション内の秩序が崩壊。ビル全体が暴力とセックスが支配するディストピアと化していく。


トム・ヒドルストン主演 映画『ハイ・ライズ』予告編

まあストーリーをそのまま追っていっても「なるほどわからん」となる映画。そもそも外界との関わり途絶しているのが納得できない。一度だけ警官がパトカーでやってくるがすぐに帰ってしまう。

英国に深く根付く階級社会を背景に、人間の原始的本性と部族敵闘争の混沌を耽美かつ退廃的な映像美で描く、とフライヤーにはあったが「お、おう」というところ。映像を通して現代社会の問題点を鋭く指摘するタイプの映画。

せめて美少女が登場するなり、ユーモアに溢れているなりすればいいのに思ったものだ。エライ人の解説付きならもう一度挑戦してみてもいいかなと思うが、おそらくもう見ないだろう。生理的にも苦手なタイプの映画。コアなSFファンには響くのかも。