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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

田村正和主演のテレビ時代劇『忠臣蔵〜その男、大石内蔵助』(2010)を見た

最近あまり人気がないようだがかつては忠臣蔵をテーマにしたドラマが数多くつくられた。テレビ朝日で2010年に放送された『忠臣蔵〜その男、大石内蔵助』もそのなかの比較的新しい一本。ひねりのないオーソドックスな忠臣蔵だった。

主演の大石内蔵助田村正和が演じるのは意外性がある。従来の重厚な内蔵助のイメージから脱し、終始飄々とした正和芝居が展開される。このようなキザな城代家老赤穂浪士がついてくるのだろうかという疑問はあるが、田村正和大石内蔵助はちょっと見てみたい組み合わせではある。

一方の敵役の吉良上野介を演じるのは西田敏行。さすがに上手いがこちらも相変わらずの西田芝居が繰り広げられる。ステレオタイプの強欲で嫌味なジジイというオーソドックスな設定なのだろうが、あまり面白味はない。

冒頭の赤穂の塩田をバックに田村正和が登場するシーンでは、安っぽい合成が使われ最初から萎えるがこの時期のテレビでは仕方ないのだろうがもう少しなんとかならなかったのか。

その後もよく知られたエピソードを適当に配置しただけのストーリーには斬新さはない。タイトルの「忠臣蔵〜その男、大石内蔵助」とはいったい何だったのかよく分からないうちにドラマは終わる。

それでもふたつほど良かった点を挙げてみたい。ひとつは「東下り」の場面である。立花左近を演じるのは北大路欣也。田村と北大路の芝居はさすがベテラン俳優同士の共演で見応えがあった。ドラマのヤマ場だろう。

もうひとつは瑤泉院を演じた檀れいの美貌。豪華な衣装に負けない美しさはさすが。芝居はひとまず措くとしても気品すら感じさせる容姿は一見の価値がある。パッとしないドラマのなかで彼女の存在感は貴重というべきだろう。
一般家紋蒔絵シール 01.丸に違い鷹の羽/GD