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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ニュルンベルク裁判~人民の裁き』(1946) / ソ連国内向けのプロパガンダ映画

DVDで『ニュルンベルク裁判~人民の裁き』(1946年、監督:ロマン・カルメン)を鑑賞。1945年、第2次世界大戦終結の年ニュルンベルクで開かれたナチ・ドイツ指導者たちに対する国際軍事裁判を描いた、ソ連のプロパガンダ映画。

ニュルンベルク裁判~人民の裁き [DVD]

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ニュルンベルク軍事裁判唯一の映像作品」などと紹介文が載っていた。裁判の全貌を描いた記録映画かと思って手にとったが期待はずれだった。ソ連国内向けのプロパガンダ映画だから仕方ないが、まるでソ連一国がナチを裁いているように見える演出に辟易した。被告側の反論もまったく収録されていない。

それでも戦争の記録映像と裁判の映像を巧みに組み合わせる編集手法は見事。ドキュメンタリー映画のお手本と言ってもいいだろう。また法廷シーンだけでなく、資料整理な裁判の裏方を支える人たちの姿が収められているのは貴重。ただしナチの蛮行の残酷な映像が容赦なく使われているので気の弱い人は要注意。

このニュルンベルク裁判は極東国際軍事裁判東京裁判)に多大な影響を与えたが、小林正樹監督の『東京裁判』(1983年)のような、まっとうなドキュメンタリー映画とはまるで異なる。ニュルンベルク裁判を扱ったドキュメンタリー映画は他にないのだろうか。