退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

朝ドラ『とと姉ちゃん』終わりました

週末、録画してあったNHK連続テレビ小説とと姉ちゃん』(脚本:西田征史)を見終わった。主演は高畑充希

少女期に父を失ったヒロインの小橋常子(高畑充希)が、「とと(父親)」として、戦中、戦後の混乱のなか母(木村多江)と二人の妹たちを支えていく。その後、常子は出版社を起業し、天才的な編集者・花山伊佐次(唐沢寿明)とともに雑誌『あなたの暮し』を発刊し、苦労の末に女性のための生活雑誌として確固たる地位を築くまでの姿が描かれる。

まずヒロインが未婚で終わるのは朝ドラとしては稀で、やはりストーリーに華がない。モデルからあるから仕方ないのかもしれないが、やはりヒロインは結婚、出産してもらわないと困るなぁ。実社会でそんなことを言うと、今日ではひんしゅく買いそうだがあくまでも朝ドラということで……。

印象に残ったエピソードが2つある。ひとつは取材中に偶然、常子が女学生時代に交流があった元・帝大生の星野(坂口健太郎)に再会するエピソード。星野は妻を亡くした後、一男一女を抱えて父子家庭を営んでいたが、そこに常子が子どもたちを懐柔しながら次第に距離を詰めていく。

あわやふたりは結婚かと思いきや星野は名古屋に転勤となり常子のもとを去る。よく分からないシナリオだと思ったが、要するに常子の押しの強さに嫌気がさして逃亡したのかと理解した(あくまでも男目線)。その後、星野は登場することはなかった。

もうひとつは、アカバネ電器製造のエピソード。私の周辺ではフトマキとも呼ばれていたが、ワンマン社長(古田新太)のキャラが強烈。自社製品を『あなたの暮し』に酷評されて、買収をしようとしたり嫌がらせしたりするのが愉快。

また洗濯機の公開試験をすることになり、フトマキが「望むところだ」と強気の発言するところがおかしい。利益優先で粗悪品ばかり出荷していたなのに、根拠のない自信はどこから出るのか。案の定、公開試験では手ひどい目にあう。その後のアカバネ電器製造は描かれないのは残念。もっと話を膨らませてほしかった。

そしてドラマはどのように終わらせるかと思いながら見ていたが、最終回、常子が夢の中で、とと役を託した父・竹蔵(西島秀俊)と再会して褒められたのは見事なエンディング。常子が「ととの歳を超えてしまった」と言うもそうは見えないのは仕方ないが、なかなか感動的なラストでドラマ全体が引き締まったように感じた。

とと姉ちゃん メモリアルブック (ステラMOOK)