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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】青山繁晴『壊れた地球儀の直し方』(扶桑社新書、2016年)

手にとると496ページに及ぶ「ぶっとい新書」でちょっと驚いた。この本は2004年に出版された『日本国民が決断する日 東京テロと血の世界再編のなかで』を復刻した新書版である。積読している間に青山繁晴氏は参議院議員になっていた。

壊れた地球儀の直し方 (扶桑社新書)

壊れた地球儀の直し方 (扶桑社新書)

日本国民が決断する日 東京テロと血の世界再編のなかで

日本国民が決断する日 東京テロと血の世界再編のなかで

本書の構成は次のとおり。

  • イラク現地取材
  • アメリカの世界戦略の転向とアジアの将来
  • 日朝戦争のシミュレーション
  • 日米関係の真実
  • 歴代内閣の業績の検証

ある編集者に別の本に分けたらいいと言われるシーンがあったが、上記のテーマが同じ根っこで繋がっていることを示したかったので一冊にまとめたそうだ。通読すると、テーマは多岐にわたるが通底するモノがあることがわかる。

オリジナルが出版された2004年は小泉純一郎内閣のころで、その後オバマ大統領が登場したり、東日本大震災に見舞われたりいろいろなことがあった。

しかし基本的な世界の枠組みはあまり変わっていないよう思われる。中東は「イスラム国」の登場により混乱を極めているし、多数の餓死者を出して命運が長くないとされた北朝鮮はいまだ健在である。さらに日米関係についてはアメリカまかせの体質は変わっていないし、憲法改正もなされていない。

戦勝国アメリカが戦後維持してきた世界秩序が綻びをみせつつあることを思うと、いまこそ新しい世界秩序の構築、そして日本再生の方向性を示している本書を読むときであろう。12年前の本であるがいまなお示唆に富む本である。

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