退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ライブテープ』(2009) / 音楽と映画の力

シネマヴェーラ渋谷の《開館10周年記念特集II シネマヴェーラ渋谷と愉快な仲間たち》の【松江哲明監督セレクション】でドキュメンタリー映画『ライブテープ』(2009年、監督;松江哲明)を鑑賞する。まさかの自選!

ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』と二本立てでなければ映画館で見ることがなかっただろう作品。これぞセレンディピティ。「音楽と映画の力」というテーマで選んだ二本立てとのこと。

ミュージシャン・前野健太の熱唱を74分ワンカットで撮影した音楽映画。2009年元旦の吉祥寺をギターを弾き語りしながら街を歩く。まだ吉祥寺バウスシアター伊勢丹があったころの吉祥寺。初詣の参拝客で賑わう武蔵野八幡宮から、サンロードを経て、さらに駅を抜けて夕日の井の頭公園でのライブまでをワンカットで撮影しているのがすごい。

ほとんど会話のないドキュメンタリーだが、井の頭公園に入る前に監督が前野健太にインタビューを始める。そこで前野は父親の死について語っているが、思わず自分と重ねてしまい深く感じ入った。


『ライブテープ』予告編

また技術的に驚いたのは画面にマイクが見えないのに演奏が鮮明に録音されていること。どうやって撮ったんだろう。DVDにはオーディオコメンタリーがついているらしいので是非見直したい。

公開当時、この作品が話題になってていたことは知っていたが触手が伸びなかった。今回、食わず嫌いはいけないと反省した。一度見ておくべき作品。