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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『東京流れ者』(1966) / 鈴木清順監督のスタイリッシュな任侠映画

シネマヴェーラ渋谷の《開館10周年記念特集II シネマヴェーラ渋谷と愉快な仲間たち》の【斎藤工セレクション】で映画『東京流れ者』(1966年、監督;鈴木清順)を鑑賞。渡哲也主戦の日活映画。

特徴のある音やビビッドな美術が冴え渡る、清順美学全開のポップな映画。劇中で繰り返し流れる歌謡曲「東京流れ者」(唄:渡哲也)には中毒性がある。元々任侠アクション映画なのだが、任侠と歌謡をミックスしたジャンルを越えたカルト映画。原作・脚本は大御所の川内康範が担当しているが、ストーリーなどはどうでもいいやと思うほど清順の映画に仕上がっている。

清順はスタジオのスタイリッシュな美術は定評あるところだが、この映画では雪国の庄内でのロケの映像がすばらしく、スタジオの映像との対比も楽しめる。

主演の渡哲也はスタイリッシュな映画にもかかわらず、歩き方が颯爽としておらずむしろドタドタという感じだったのが不思議な感じ。また二谷英明松原智恵子が共演しているがどちらも影が薄い。ヒロインの松原智恵子は魅力的だが映画にはあまり絡んでこないのは、これぞ日活アクション映画というべきか。


東京流れ者

いまから半世紀前の日本映画がこれほど前衛的なのはいま見ても驚きだが、時代は清順を待ってくれなかった。この翌年に監督が撮った宍戸錠主演の映画『殺しの烙印』(1967年)では、「わからない映画を作ってもらっては困る」と日活社長の怒りを買い、ついに日活を追われることになる。その萌芽は『東京流れ者』から既に感じられる。

Tokyo Drifter 東京流れ者 [Import anglais]