退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『007 スペクター』(2015) / ダニエル・クレイグ版の第4作だが不完全燃焼か

新文芸坐で『007 スペクター』(2015年、監督:サム・メンデス)を見てきた。映画『007』シリーズの第24作、ダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを演じる作品としては評価の高かった『スカイフォール』に続く第4作。

冒頭のメキシコシティの「死者の日」を舞台にしたアクションシーンは素晴らしく、瞬く間にに作品に惹きつけられる。しかし後半は明らかに失速気味で不完全燃焼かなという印象が強い。それでも次回作を二番館で見たいなと思わせるほどには楽しめた。

原因は脚本がいろいろとおかしいことだろう。まず冒頭に登場する女性は何だったのだろうか。「お、ボンドガールかな」と思いきやその場限り。伏線になるかと思ったが回収されず。

そしてボンドが「スペクター」の最高幹部会議が開催されている部屋まであっさり侵入できるのもどうかと思ったし、首魁のブロフェルドことフランツ・オーベルハウザー(クリストフ・ヴァルツ)が簡単にM(レイフ・ファインズ)によって身柄を確保されるのも安易過ぎる。次回作への布石なのか。

さらに不可思議なのは、ボンドとマドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)がいつの間にか親密になり互いにかけがえのない相手になっていること。二人に何があったのだろう。何か見逃していたのかもと不安になった。

それにしてもボンドガールのレア・セドゥはでかく見えた。ヒールを履いたらダニエル・クレイグより背が高いのではないか。ヅカ的にはありえない身長差だけど欧米ではこれでいいのか。ちょっとしたカルチャーギャップだ。


Spectre Trailer - James Bond 007 - Daniel Craig - Official Full HD

本作はカーチェイスなどのひとつひとつのアクションシーンは及第点で大きなスクリーンで見ると十分に満足できるのだが、映画としてはイマイチ。アクションシーンもヘリのシーンは冒頭とラストで重複していたのも気になった。

肝心のボンドとプロフェルドの「カインとアベル」的な因縁は次回作に持ち越すとしても、もう少し二人の関係について言及してもいいのではないか。

また過去作品へのオマージュが満載なのはうれしい。後日、オーディオコメンタリーで詳しい説明を聞きながら見ると楽しいだろう。今回は全部は拾えてないと思うのでもう一度DVDなどで確認したい。

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