退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

電子辞書事業から撤退したセイコーからiPad用の辞書アプリ「語句楽辞典」がリリース!

セイコーソリューションズ株式会社は、iPad専用の電子辞書アプリ「語句楽辞典」の提供を開始しました。以下がニュースリリースです。

www.seiko-sol.co.jp

2015年3月に電子辞書事業から撤退したセイコーインスツル株式会社の流れ汲む辞書アプリで、これまでの電子辞書開発のノウハウが活かされているとのこと。ちょうと電子辞書がまるごとiPadに組み込まれたイメージでしょうか。

気になるのは提供される電子辞書のコンテンツですが、大学生向け・高校生向けにそれぞれスタンダード版とプレミアム版のセットが用意され、最上位の大学生向けプレミアムのコンテンツは超弩級。社会人でも十分に通用しそうです。従来の電子辞書デバイスでいえば、フラグシップモデル相当ですね。かなり惹かれます。コンテンツの詳細はニュースリリースから資料を参照ください。

以下のアプリが無料で提供されてますが、電子辞書のライセンスは別途購入する必要があります。

語句楽辞典

語句楽辞典

  • SEIKO SOLUTIONS INC.
  • 辞書/辞典/その他
  • 無料

ただ気になることもいくつかあります。ここでは2点だけ挙げておきます。

第一には、セイコーソリューションズ株式会社のフットワークです。売り切りのハードウエアと異なり、iOSバイスはOSが頻繁にアップデートされるし、新しい端末も次々に登場するので細かいユーザーサポートが求められます。このあたり大丈夫なのかという懸念です。

と言うのも、かつてのセイコーインスツル株式会社の電子辞書関連のユーザーサポートが決してユーザーフレンドリーとは言えなかったからです。

セイコーの電子辞書には、PCに電子辞書を接続して、PCアプリから電子辞書のコンテンツを検索・参照する機能がありました。その機能はWindowsのバージョンが上がると旧モデルの電子辞書はサポートを打ち切られたことがありましたが、ずいぶんな対応だなと思った記憶があります。また心待ちにしていたMac対応も夢に終わりました。

今回も新しいiOSのサポートが遅れたり、ある日突然撤退してアプリが新しい環境で使えなくなったりするのではないかと心配です。もともとB2Bの企業なのでコンシューマー・プロダクトを手厚くサポートする社風ではないのかもしれません。

第二には、販売チャンネルについてです。上のニュースリリースには、「学校指定の書店、販売店を通して販売」とあります。社会人はアウトオブ眼中ということですかね。しかも肝心の価格の情報もありません。

いったい私は買えるのか、買えるとしたらいくらなのか、さっぱり分かりません。一般のコンシューマーに売る気がないのから「一般の方はお断りします」ぐらい書いておいてもらったほうが親切というものでしょう。

【参考記事】

http://www.flickr.com/photos/51035543135@N01/4573786830
photo by andy.simmons