読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

カラヴァッジョ展 @国立西洋美術館

イベント

上野の国立西洋美術館で開催中の『カラヴァッジョ』展に行ってきました。日伊国交樹立150年記念のおかげで今年はイタリアの美術品が豊作です。

f:id:goldensnail:20160424060623j:plain

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)は、西洋美術史上に名を残す偉大な芸術家でバロックという新時代の芸術を切り拓いた画家のひとりとしても記憶されています。まあ私でも名前を知ってるぐらいですから西洋美術史のスターと言ってもいいでしょう。

今回の目玉は最近カラヴァッジョの真筆と鑑定され、世界初公開となった《法悦のマグダラのマリア》(1607) (画像)でしょう。新らたに真筆が見つかったというニュースはテレビでも報じられましたので覚えている人も多いでしょう。まず手の表情がすばらしい。これは彼の晩年の作品ですが、当時の境遇を表すかのように暗い印象を残します。

これとは対照的に初期の作品は明るいタッチで描かれています。《バッカス》(c. 1597-98) (画像)や《果物籠を持つ少年》(1593-94) (画像)は必見です。この作風、殺人まで犯し死刑判決を受ける至るエキセントリックな彼の行動がもたらした境遇の変化により一転します。自業自得とはいえ波乱万丈の生涯です。劇的な人生のドラマを展覧会で追ってみるのも一興でしょう。

f:id:goldensnail:20160424060634j:plain

生涯、工房も持たず弟子もとらなかったカラヴァッジョですが、彼の作品はヨーロッパ各地のカラヴァッジェスキと呼ばれる多くの芸術家に影響を与えました。本展では、このカラヴァッジェスキたちの作品も合わせて展示されています。人格と作品は別ということがよくわかります。すごいやつはすごい。

f:id:goldensnail:20160424060651j:plain

余談ですが音声ガイドのナビゲーターは猫侍こと北村一輝でした。展覧会には作者不詳のカラヴァッジョの肖像が展示されていましたが、そのポートレートはなんとなく北村一輝に似ています。ナイスなキャスティングかもしれません。