退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『女教師 汚れた放課後』(1981) / 風祭ゆき主演の女教師ジャンルのロマンポルノ

東京国立近代美術館フィルムセンターの《自選シリーズ 現代日本の映画監督4 根岸吉太郎》で映画『女教師 汚れた放課後』(1981年)を鑑賞。田中陽造の脚本によるにっかつロマンポルノ作品。主演は風祭ゆき。

都立高校の教師の咲子(風祭ゆき)は、警察に補導された生徒のスエ子(太田あや子)の身元引受人になる。スエ子はかつて咲子が秋田で教育実習した時の教え子だった。さらに、その学校で咲子が強姦された事件で犯人とされた末吉(三谷昇)娘でもあった。

しかしその事件は後日真犯人が捕まったとスエ子に告げられ、咲子の誤った証言で父が逮捕されたことによりスエ子の家庭は崩壊したことを知る。そのことに対し咲子は重い責任を感じる。

咲子は末吉に謝罪するがなかなか受け入れられない。その後、ふたりは再会し、なぜか二人で旅に出て地方のヘルスセンターに行く。咲子はスエ子を呼び出し3人は剣劇一座と親しくなる。一座が去ったあと末吉は首をつろうとして咲子の止められ二人は体を重ねる。職場に戻った咲子はスエ子からの手紙を受け取る。スエ子は末吉といっしょに剣劇一座とともに旅をしていて、父娘といっしょにいると落ち着くという。

女教師・汚れた放課後 [VHS]

そんな話だが、社会派・田中陽造の脚本により、いわゆる映画らしいロマンポルノに仕上がっている。時代背景を考えると女性の自立が取り沙汰されていた時期かもしれない。でも突然ロードムービーになる展開は想定外。ラストで風祭がバケツを蹴ってストップモーションという演出も面白い。

難点といえば、主演の風祭ゆきがまったくインテリに見えずに教師役が似合っていないこと。小道具のメガネをかければ女教師の出来上がりというのは安直すぎるが、風祭はこの作品以外にも何度も女教師を演じているので一定のニーズがあったのだろう。

それでも終盤に野外で三谷昇と交わる濡れ場は、女神かと思うほどに美しい。寒そうだけどね。アバラが透けて見えるぐらいのスレンダー美人は私の好みとは違うが、さすが何本もロマンポルノで主演を張っただけのことはあるなと思わせる。

他の出演者では、末吉役の三谷昇がしぶい。猫背のしょぼくれた中年役を演じるとピカイチ。余人をもって代えがたい。今回の併映作品『オリオンの殺意より 情事の方程式』には戸浦六宏が出演していたが、ロマンポルノと言えども女優だけでなく、ベテラン男優が出演すると作品に深みが出る。

ロマンポルノを二本立てで上映するとは、フィルムセンターもなかなか分かってるね。ちなみに公開当時の本作の併映作品は麻吹淳子主演の『団鬼六 OL縄地獄』だったが、むしろこっちをを見たかった。しかしスタッフが名を成さないとフィルムセンターでの上映は無理か。

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