退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015) / 冷戦時代のオシャレなスパイ映画

新文芸坐で映画『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015年、監督:ガイ・リッチー)を鑑賞した。1960年代に放映されたテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のリメイク映画。

時は60年代の東西冷戦時代。元ナチスの科学者が絡んだ世界的な核兵器テロ組織に対抗するために、CIAのスパイ・ソロ(ヘンリー・カヴィル)とKGBのスパイ・イリヤアーミー・ハマー)の両陣営のトップクラスのスパイが手を組むという分かりやすい話。まるでタイプの違うふたりのスパイの対比が愉快。

1989年にベルリンの壁が崩壊して四半世紀以上経った現在、すでに東西冷戦時代の物語は時代劇といえるかもしれない。60年代のファッション、街並み、多様な言語の台詞回しなどをゆったりした気分で楽しめる映画に仕上がっている。

最近のスパイ映画は、コンピュータでシステムにハッキングしたり、ハイテク兵器を駆使したアクションシーンが売り物であるが、この映画ではいたってローテクなのでほのぼのした気分になれる。

テレビドラマがオリジナルということもあり、複雑なサスペンスの要素もなく、ストーリーも勧善懲悪で分かりやすい。いそがしい映画に疲れたときに優雅な気分で楽しむのがいいだろう。

ちなみに、コードネームの「 U.N.C.L.E.」というのは、United Network Command for Law and Enforcementの略。まあ中二病みたいな名前だが時代劇だと思えば仕方ない。続編をやるき満々のエンディングだったが、興行成績はどうだっただろうか。もう一作ぐらいは見てみたい。


The Man From U.N.C.L.E Official Trailer 1

今回の上映では映画『キングスマン』との二本立てだったが、誰でも思いつくカップリングなのか、いくつかの名画座でも同じプログラムだった。もうひとひねりしてほしいところ。

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