退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】坪田信貴『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA、2013年)

受験シーズンだからというわけでもありませんが、遅まきながら「ビリギャル」を読んでみました。タイトルどおり、落ちこぼれの金髪ギャルさやかが、塾講師の筆者から指導を受け一念発起して現役で慶応義塾大学(SFCだけど)に合格するノンフィクションです。

主人公が成績を上げて夢を実現していく成功譚であると同時に、家族再生の物語でもあります。「映画化決定!」と謂う前に、すでに有村架純主演で映画されています。こちらは未見で予告篇をチラ見しただけですが、読み終わったこの本がそのまま映像化されていて不思議な感覚でした。


『映画 ビリギャル』予告編

主人公は 高校2年の夏から受験勉強を始めて偏差値をぐんぐんといきます。彼女は中学受験を経験して私立中学に入学していますし、地頭が良いが勉強してこなかったから成績が悪かったタイプでしょう。元々才能があったにしろ、これほど短期間で成績を上げるのは並大抵のことではないでしょう。そうした意味では、またとない塾の宣伝の事例です。

ちょっと気になったのは「なんで最初に慶応ありきなの?」ということ。まず将来やりたいことを見つめて、その次に大学や専攻を決めていくのが筋じゃないかなと。「慶応ならどこでもいいんかい!」とツッコミたくなります。最近の進学事情はそんなものなのかしらん。

あと入試本番の前に冷たい缶コーヒーを飲むエピソードがありますが、「あーあ、やっちゃたか」と思ったら案の定……。似た経験があるのでがぜん親近感が湧きました。

この本は映画化されるほどのベストセラーになりましたが、それも納得の面白さです。未読の人は、読みやすいので受験シーズンまっただ中に一度読んでみてください。受験時代にこんな塾があったらよかったなと思いました。でもお高いんですがね。

ちなみにカバーの写真はさやか本人ではなく、モデルさんとのこと。そりゃそうか。

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