退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

ドキュメンタリー『ヤクザと憲法』を見ました

ポレポレ東中野で上映中のドキュメンタリー『ヤクザと憲法』を見てきました。東海テレビドキュメンタリー劇場第8弾。

暴力団対策法の施行から20年余。大阪の指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」に100日以上にわたる密着取材を通して描いたドキュメンタリーです。

組員たちの生い立ち、部屋住みの青年の生活、シノギの現場などを追いながらヤクザの現在に迫ります。とくに取材中に警察の家宅捜索を受ける場面は圧巻。強面のヤクザに負けず劣らず、取材のカメラを止めようする大阪の警察も怖い。

さて後半までタイトルのある「憲法」はどこに行ったのかと思いながら見ていると、スクリーンに憲法第14条の条文がバーンと映ります。

日本国憲法第14条

1. すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
(以下略)

この日本国憲法の条文では「法の下の平等」を謳っているにもかかわらず、暴力団員本人およびその家族は、さまざまな場面で差別を受けているという問題提起がなされます。具体的には、ヤクザは銀行口座をつくれなかったり、保険に加入できなかったりします。あらゆる場面で「ヤクザお断り」というワケです。

この問題提起について、率直に「こうした差別は違憲じゃないの?」と思わないでもありませんが、番組のなかでは専門家が法律上の議論をするわけでもなく問題が投げっぱなしになっているのは残念。もっと掘り下げてほしかった。

あと個人的に興味を惹かれたのは、山口組の顧問弁護士だった山之内幸夫氏が登場していたこと。東映映画『悲しきヒットマン』(1989年、監督:一倉治雄)としても知られています。主演の三浦友和と並んで写っていた写真が印象的でした。

悲しきヒットマン [DVD]

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この番組では、山之内氏が建造物損壊教唆罪に問われ、一審で懲役10月執行猶予2年の有罪判決を受けるまでが撮られています。その後、最高裁で判決が確定したので、弁護士法の規定により弁護士のバッチを外すことになります。まあヤクザに関わった見せしめなのか、妥当な判決なのか分かりませんが、哀愁というか諦めというか複雑な表情が心に残りました。

www.youtube.com

余談ですが、この類のマイナーなドキュメンタリー上映なんてどうせガラガラかと思って出かけたら満席でした。舐めていました。すみません。ポレポレ東中野万歳!

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