退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『海街diary』(2015) / コミック原作の静かな日本映画であると同時に隠れたおっぱい映画かも

目黒シネマで映画『海街diary』(2015年、監督:是枝裕和)を見てきました。吉田秋生のコミック(既刊6巻)が原作で、かくいう私も原作コミックのファンです。人気コミックを安易に実写化する最近の風潮はどうかと思っていましたので、映画化の話を聞いたときは是枝監督までもこの路線かよと思いました。自分のお気に入りの作品なのでなおさらです。

この映画は父親に捨てられて三人で暮らす姉妹(綾瀬はるか長澤まさみ夏帆)が、父の浮気相手の子である四女(広瀬すず)を引き取って、四人で鎌倉の古い家で共同生活を始める話です。基本的には原作コミックの通りなので、ストーリーとしては新規性がありません。

尺の都合なのか映画では登場人物の立ち位置が分かりにくかったり、省略されたエピソードもありましたが、概ね満足できる内容でした。とくに映像美が際立っています。姉妹が暮らすあの古びた家屋を見つけてきただけでもすごい。

桜の通りのシーンや、花火のシーンはありきたりの絵になりそうなものですが、緻密に計算された映像は現代の日本映画の到達点といってもいいでしょう。映像技術について言えばは、固定アングルで撮っているかと思うと、すっーとわずかに横に動いているのが気になりました。私などはちょっと落ち着かないなと思いましたが、こういうのが新しいのもしれませんね。


海街diary予告篇 - YouTube

出演者に目を転じると、四姉妹はそれぞれいいのですが、とくに長女の綾瀬はるかがいい。天然ボケの印象がある彼女ですが、本作ではしっかりもの長女を演じていて、もはや大物女優の風格さえ感じさせます。映画館には彼女のフィルモグラフィーが掲示されていましたが、単独で名画座の企画上映をできるほどのキャリアです。

本作のオススメのシーンは恋人の小児科医(堤真一)の部屋での体型に密着したタートルネックの衣装です。ニコ生なら「でけええええ」という弾幕ができそうですが、隠れた「おっぱい映画」としても記憶に残るでしょう。て、ちがうか。

あとたいしたことではありませんが、三女の夏帆がヘアスタイルががアフロじゃないのがちょっと残念。三女のアフロどうするんだろう気になっていたもので……。まあいいでしょう。

コミックを映画化した最近の作品のなかでは突出した出来栄えです。さすが是枝監督。

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