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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『新選組始末記』(1963) / 市川雷蔵主演の時代劇映画。ラストの握手のシーンがおかしい

映画 時代劇

先月テレビ放送されていた映画『新選組始末記』(1963年、監督:三隅研次)を録画で鑑賞。子母澤寛の同名小説が原作だが、本作は原作とはまったくの別物。

本作は市川雷蔵のスタームービー。市川は密偵として知られる山崎烝(すすむ)を演じ、山崎の目を通した新選組が描かれる。

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山崎が近藤勇若山富三郎)と出会い、新選組に入隊するところから物語が始まる。その後、新見錦(須賀不二男)の切腹芹沢鴨田崎潤)の暗殺により、近藤一派が新選組の主導権を奪取するまでが前半に描かれる。淡々とした進行である。

後半では、芹沢暗殺を巡り山崎と近藤との間で微妙なスレ違いが生じ、土方歳三天知茂)との確執が目立つようになる。新選組での居場所について悩む人間くさい山崎が見どころになる。

終盤では池田屋事件の大立ち回りがクライマックスに据えられている。三隅研次監督の様式美にとらわれないリアリズムに徹した殺陣を堪能できる。大映映画の時代劇の本領発揮というところ。

襲撃が終わった後、池田屋で敵の会合があることを突き止めた山崎が賞賛され、沖田総司(松本錦四郎)と山崎が握手して襲撃の成功を喜ぶシーンがある。この時代に握手する習慣があったのか定かではないが不思議なシーンだった。

「始末記」というわりには、映画は新選組池田屋事件から揚々と引き上げるシーンで終了。「え、終わりなの」と拍子抜けしたが、映画が尺の長さを感じさせなかったということかもしれない。

さすがにいま観ると時代を感じる点も多々ある作品だが、市川雷蔵がカッコいいことは普遍のようだ。銀幕スターとして一世を風靡したのも納得できるオーラが感じられる。