退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『銭ゲバ』(1970) / 唐十郎主演の幻のコミック実写化作品

新文芸坐の《追悼 名優・加藤武》で映画『銭ゲバ』(1970年、監督:和田嘉訓)を鑑賞。ジョージ秋山の同名のコミックを唐十郎主演で実写化した作品です。そろそろソフト化されたかなと期待しましたが、その気配はありません。いまだに幻の作品。めちゃくちゃ面白いのになぁ。

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加藤武は、主人公の蒲郡風太郎(唐十郎)の父親役です。飲んだくれのろくでなし。家族に暴力を振るった挙句に風太郎が子どものうちに蒸発したため、風太郎からはひどく憎悪されている。風太郎が凶行を繰り返して出世した後に再会するが全く相手にされない。その後、風太郎が社長(曽我廼家明蝶)を殺害した証拠を握り、それをネタに風太郎を脅迫するが、逆に風太郎が雇ったチンピラ(左とん平 )に殺されてしまう。加藤は下卑た父親役を好演しています。

映画の感想は以前見たときの記事を参照ください。

下のスチルは、社長室での唐十郎加藤武(左)と風太郎役の唐十郎(右)です。風太郎は貧困で食べるのにも困っていたはずなのに、ガタイがすごいのが不自然な気がしましたが、まあいいでしょう。それにしても当時から唐十郎はやっぱりすごい。圧倒されます。

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