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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『俺はまだ本気出してないだけ』(2013) / まさか堤真一主演で実写化されるとは!

Hulu 映画

Huluで映画『俺はまだ本気出してないだけ』(2013年、監督;福田雄一)を鑑賞。青野春秋の同名コミックの映画化。原作のファンだったが、映画の予告編を見て、「これはちょっと違うなぁ」と思って公開時はスルーした作品。

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大黒シズオ(堤真一)は、40歳にして「本当の自分をさがす」と突然会社を辞めてしまう。バツイチで子持ち。父親(石橋蓮司)と娘(橋本愛)との三人暮らし。ある日、彼は漫画家を目指すと宣言。そんなシズオと、幼なじみ、バイト先の同僚、そして家族との交流を描く。

予告編を見て思ったのは、シズオ役の堤真一がカッコよすぎて、原作のイメージとかけ離れていること。シズオは原作ではこんな感じだから……。

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あまり期待しないで見始めたが、映画は予想以上によかった。原作のエピソードがほどよく盛り込まれているのも好感がもてる。

父親には毎日怒鳴られ、高校生の娘に借金し、バイト先ではミス連発という冴えない中年男性が主人公であるが、深刻すぎずに軽妙さとの間で絶妙なバランスが成立しているのがよい。現実でシズオなような境遇は、かなり惨めでキビシイ状況だと思うが、映画ではそれを感じさせない。

むしろバイト先では「店長」(店長ではないけど)と呼ばれ、少年野球の子どもたちからは「監督」(監督ではないけど)と呼ばれる、周りから愛されるキャラクターである。羨ましいと思えるほどだ。

しかも漫画家を目指すという目標も口先だけでなく、作品が商業誌に掲載されるまでに結果を残す。有言実行なのもかっこいい。

それでも風俗店で、風俗嬢のバイトをしている娘に偶然出くわすに至っては、親としてアウトだろも思ったが、橋本愛のような娘がいるだけで人生の半分は成功しているかもしれない。

ラストも漫画家として大成するわけでもなく日常のなかでさりげなくフェードアウトしていくのも余韻があっていい。なかなかの拾いものだった。


『俺はまだ本気出してないだけ』予告編 - YouTube