退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

携帯料金引き下げの有識者会議が始まる

安倍首相の思いつきで、携帯電話料金の引き下げを検討する総務省有識者会議が始まりました。現在、携帯電話の買い替えを考えているのでこの分野のニュースには敏感なのです。

携帯電話料金の引き下げを検討する総務省有識者会議(タスクフォース)は19日午前、初会合を開いた。データ通信などの利用が少ない人向けの割安な料金プランを設けたり、端末価格と通信料金を分離したりする案などを議論。事業者間の競争を促すため、格安スマートフォンスマホ)会社の育成策も検討し、年内に結論をまとめる。
Souce: 日本経済新聞

第一感、民業に政府が直接介入するとは、日本はいつから社会主義になったのかと思いました。しかし国民に携帯料金に不満があるのは確かでしょう。今回のような直接介入するのはどうかと思いますが、電波の公共性を考えれば消費者の利益を政府がある程度代弁するのもアリかもしれません。

先ほど安倍首相の思いつきと書きましたが、実は結構いいツボを突いているのかもしれません。このトピックは国民の生活に密着していて分かりやすいので、選挙対策としては絶妙です。

ここではいくつなのポイントを挙げて携帯料金の引き下げについて考えてみたいと思います。

携帯料金が分かりにくい

端末が実質0円」のセールストークに代表されるように、大手あキャリア3社の料金体系が分かりにくいと感じている人は多いでしょう。

少し考えれば「0円」なんてことがあるわけなく、月々の料金に混ぜ込まれていることは簡単に分かります。端末価格と通信料金が意図的に合算されているわけです。まずは、端末価格と通信料金を分離するところから始めてみるのがいいでしょう。

将来、端末は外部で調達してきて、いちばん消費者の好みのプランを提示するキャリアを選ぶという当たり前のことが、一般的になってほしいものです。

市場競争が機能していない

つぎに、事業者間の競争がなく実質的に寡占状態になっていることを指摘します。最近、キャリアの横並び体質を感じることが多くなりました。カルテルじゃないかと思うほどですが、公正取引委員会は仕事しているのかな。

寡占状態と言えば、かつてユニークな存在感を発揮していた事業者である、ウィルコムイー・モバイルが大手に買収され、業界が大手三社に集約された経緯も見逃せません。こうした事業者を保護する仕組みはなかったのかいまさらですが残念でなりません。

MVMOの育成保護を考えよう

これだけ大手3社の寡占が進むと、今後、基地局などのインフラに膨大な投資して新規参入を図る事業者はでないでしょう。有限な資源とされる電波の帯域の問題もあります。

こうなると回線をリセールするMVMO(仮想移動体サービス事業者)に注目が集まります。MVMOの料金体系は大手3社とちがって実に分かりやすい。明朗会計です。

情報強者という言葉が好きではありませんが、周りでも大手キャリアの商習慣に嫌気がさしたのか、よく調べたうえでMVMOに移行する人が増えてきました。情報格差社会です。

一見、これで健全の方向に進んでいるように思えますが、MVMOの事業者は大手キャリアから「仕入れ」をしている立場なので、大手キャリアに蛇口を閉じられるとビジネスは万事休すになります。そうした事態にならないように、大手キャリアとMVMO事業者との間の取引きが公正に行われるように公権力が介入する程度のことはやってもいいでしょう。

今日はこれくらいにしておきましょう。

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photo by sinkdd