靖国神社境内に併設されている遊就館に行ってきました。九段下までは普段から何度も来る機会があったのですが、戦後70年ということもあり久しぶりに拝観してきました。
メインは戦没者や軍事関係の資料を収蔵・展示であり、日本では珍しい軍事博物館でもあります。玄関ホールは入場無料ですが、展示室は入場料800円です。
館内の床には拝観順路を案内する矢印があり、展示をひととおり見る遊就館1周コース(所要時間:120分)と、大東亜戦争コース(所要時間:90分)がありました。時間にも余裕があったので遊就館1周コースに沿って拝観してきました。
見どころは、日清戦争、日露戦争から大東亜戦争までの戦史関係の展示です。とくにテレビ番組に出てくるような大きな年表や地図はここでなければ見ることができません。日本軍が遠方まで進出していたことにあらためて驚きます。
まあ展示が偏っているのは分かっていましたが、なぜ日本が先の大戦で負けたという分析はほとんどありません。日本軍の戦史ではその反省がいちばん重要だと考えます。
展示は英語による解説も充実して、熱心にメモをとる外国人もいました。私も、恥ずかしながら日本語の解説が読めないときは英語を読んでいました。日本語解説の表記が難しい。もっと平易に書けばいいのにと思いました。
また敗戦以降の展示は少ないのは残念。戦後、日本がどのように独立を回復したのか、再軍備がどのように進んだかも紹介してほしかった。
順路の最後は大展示室です。九七式中戦車 チハ、艦上爆撃機彗星などに加えて、回天(人間魚雷)や桜花(人間ロケット)などの特攻兵器が展示されています。回天を大きさは一度見ておく価値はあるでしょう。
ここに来るといつも思うのは、日本にはなぜ公設の軍事博物館がないのだろうということです。どの国にも祖国のために戦った軍関係の博物館がありますが、日本にはそうした施設がありません。その事実が日本がいまだに戦争を総括できていないことを示しているのではないでしょうか。
▼本館
▼零式艦上戦闘機五二型
▼八九式十五糎加農(右)