東京国立近代美術館工芸館で開催中の「こども+おとな工芸館 ピカ☆ボコ オノマトペで読みとく工芸の魅力」という作品展をみてきました。
ツヤツヤ、ピカピカ、ボコボコ、ザラザラ…といった擬態語や擬声語(オノマトペ)が日本語にはたくさんり、質感の印象を表わすことばとしても使われています。こうしたことばを通して工芸品の魅力を探る作品展です。
「ツヤツヤ」「ピカピカ」「スケスケ」「ボコボコ・ゴツゴツ」「ザラザラ・サラサラ」「ダラリ・ジワリ・スベスベ」といった質感をとりあげて作品が揃えられています。所蔵品が中心の展示ですがなかなか面白い企画でした。
でも「ザラザラ」に取り上げられた作品も実際に触れるわけではありません……。子どもたちはちょっと不満かもと思っていたら、実際に作品にタッチできる企画も用意されているようです。見学予定の人はスケジュールを調べてから出かけるのがよいでしょう。
作品展のほかには工芸館の建物も見どころです。なんと「重要文化財(建造物)旧近衛師団司令部庁舎」なのです。周りをぐるりとまわることができます。ゴシック様式の明治洋風レンガ造りの建物は都内でも貴重です。内装で原形をとどめているのは中央階段付近でしょうか。
建物には近衛師団の面影はほとんど感じられませんが、近くに北白川宮能久親王の乗馬像があります。躍動感たっぷりです。日清戦争後の1895年、近衛師団長として、ドイツより割譲された台湾の征討任務で海を渡りますが、現地で病没したそうです。調べてみるとなかなか数奇な人生を歩んだ人物のようです。
また帰りは工芸館の裏手から緑豊かな散歩道に沿って武道館に出て田安門から九段下まで抜けるのも一興です。