退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】佐々木典士 『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス、2015年)

書店で巻頭の写真に惹かれて読んでみた。帯に「人生が動き出す、モノが少ない幸せ」とある。この類の本は時代を越えて異曲同工に繰り返し出てるよね、などと思いながら読み出す。

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -

第一章は力強い。「ミニマリズム」とは何なのかがよくわかる。巻頭の写真と第一章を立ち読みして少しでも共感するなら通読してもいいだろう。これこそ理想的な暮らし方と思い人も少なくないだろう。

しかしミニマリズムという割には、この本そのものにムダが多い。重複している部分を削っていけば半分ぐらい紙面でも問題ないだろう。ミニマリストを名乗るなら「岩波ブックレット」ぐらいの薄い本を目指してほしかった。

気になったのは編集者なのに、本棚ごと本を捨ててしまったこと。筆者が、どのくらい本好きなのか分からないが、編集者というからには、座右の書というか、これまで自分を育んでくれた本ぐらいはあるだろう、そうした本も手元におかずに処分して本当にいいのか。挙句に机や椅子までも処分している。この点はぜひ筆者に聞いてみたいものだ。職業人として必要なモノがあるのではないという疑念は沸く。

他には私も映画好きなので、映画のライブラ処分して、テレビまで手放したのは興味深い。筆者は「映画好き」から「必要な映画を見る人」になったというが、後悔しなかったのか聞いてみたい。ふと見たくなる作品とかないのだろうか。

本のなかで何度も出てくる「スティーブ・ジョブズ礼賛」は気になるが、まあアップル製品に代表されるデジタルガジェットが「ミニマリズム」を実現ならしめた面はあるのだろう。また、いわゆるアップル信者とミニマリストが重なる部分は大きいようにも感じた。

実現できるか難しいが、スーツケースに必要なモノがすべて詰まっていて、いつでも移動できるとうライフスタイルには正直あこがれる。その前に部屋をすこしは整理整頓してみようかと思った。
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