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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

アニメンタリー『決断』を見て思ったこと

太平洋戦争を題材にした竜の子プロダクション制作のテレビアニメ『決断』(全25話)が、Huluで配信されていたので何本か見てみた。1971年の放送時には、第26話が放送されたが戦争とはまったく関係ない野球の話だったらしい。

このアニメは、太平洋戦争における日本側と連合国側との双方の指揮官や司令官、兵士たちの重要な「決断」を中心に描いたノンフィクションである。とくに個々の戦いを見たとき、戦った者たちの人間としての意志決定が大きく作用して勝利を導き、あるいは敗北を招いていることに注目している。ちなみに「アニメンタリー」というのは、アニメとドキュメンタリーを合わせた造語である。

特徴的なのは、最終話「最後の決断」では曲がりなりにも終戦の決断が描かれている一方で、第1話は「真珠湾奇襲」となっていて開戦の決断がまったく描かれていないことである。

いつのまにか戦争が始まっていて、どのような経緯で戦争にまで至ったのか描かれないし、そもそも誰が開戦を決断したのかも不明である。「決断」というタイトルのアニメにもかかわらず責任者不在なのだ。

さらに終戦時も「御聖断」という語が出てくるが、天皇の戦争責任は曖昧にされている。他のエピソードでは司令官などの責任を手厳しく糾弾しているなか、急にトーンダウンしているのは大いに不満。これが地上波の限界だったのだろうか。