退屈な日々 / Der graue Alltag

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所沢市の「育休退園差し止めを」 親の申し立て退ける

所沢市の「育休退園」問題が話題になっている。0~2歳児の子どもを保育園に預けている母親が新たに出産して育児休業を取った際、預けている子どもが退園しなければならないという制度だ。

市は今年の4月からの導入を決定していたが、反発した保護者11人が6月25日に退園の差し止めを求める行政訴訟さいたま地裁に起こした。

この提訴の対して、28日までに裁判所はこの申し立てを退けた所沢市の「育休退園」制度を適法と認めたこの裁判所の決定は妥当なものだろう。詳細は下記のとおり。

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育児休業の取得を理由に保育園に通っている上の子どもを退園させる制度は違法だとして、子育て中の親が埼玉県所沢市に退園の差し止めを求めた仮処分の申し立てについて、さいたま地方裁判所は 「市は、保育園の継続が必要と認めた親には継続できる方針を示している」などとして、訴えを退けました。

 この問題は、所沢市が今年度から親が育児休業を取得した際、すでに保育園に通っている2歳児以下の上の子を原則として退園させる制度を新たに設けたのに対し、子育て中の17人の親が 「保育を受ける権利を侵害し、違法だ」などとして、裁判所に退園の差し止めを求める仮処分を申し立てていたものです。

 これについて、さいたま地方裁判所の志田原信三裁判長は「市は、保育園の継続が必要と認めた親には継続させる方針を示しており、これを適正に適用すれば法の趣旨に反する事態は生じない」などとして、28日までに仮処分の申し立てを退けました。

 これに対して、訴えた親と弁護士が記者会見し、「継続させる判断基準が不明確なうえ、公平に審査されているかも疑問で、決定は不当と言わざるをえない」などと批判し、仮処分とは別に、退園の差し止めを求めている裁判で改めて争っていく考えを示しました。

 一方、所沢市の藤本正人市長は、「市の主張が認められたものと考えます。今後も適正な運用に努めて参ります」とコメントしています。

この決定は私の周りでも話題になっていたが、「他の待機児童が待っているのだから育児休暇中は上の子の育児は自分でするべき」「既得権にしがみつく浅ましい態度で自分勝手すぎる」「いきなり裁判とは乱暴すぎる」と言った意見が多かった。

根本的な原因は所沢市に保育園が足りていないことなのだろうが、市政にも優先順位もあるだろうし、すぐには解決できないのだろう。

そもそも義務教育でもない保育園を行政が住民のニーズに合わせて全部を用意する必要があるのかも疑問である。児童の安全が確保できることを前提に、市場原理に委ねても受益者負担の原則を徹底するべきだ。

とくに現状では認可保育園に入れるかで親の負担が大きく違い不公平感が強い。保育園への参入のハードルを低くして民間主導で保育園を運営して、行政は保育園に補助したり、本当に経済的に困っている家庭を援助することに注力すればいい。

本件で所沢市を訴えた親たちは、まだ戦う姿勢を崩していない。市政に関することは議会に働きかけたり、選挙を通して民主的に要求するのが本来の手続きに思える。いきなり行政訴訟に持ち込むのは乱暴だろう。自分の子どもが就学するまでに決着しないと意味がないということだろうか。

最近はなんでも「少子化対策に逆行する」などというともっともらしく聞こえるが、こんなことぐらいで少子化を逆転できるはずもない。今回ももっぱら自分の都合によるものだろう。裁判を起こすのも自由だが、なんとも身勝手な親たちだという印象は拭えない

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photo by Vlad B.

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