退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『洋菓子店コアンドル』(2011) / 鹿児島から上京した蒼井優がパティシエールを目指します

映画『洋菓子店コアンドル』(2011年、監督:深川栄洋)を、Huluで鑑賞。鹿児島から彼氏を追って上京してきた田舎娘なつめ(蒼井優)が、見習いとして働きならがパティシエールを目指す。そして、かつては伝説のパティシエと呼ばれたが、子どもを事故で失った心の傷のため第一線を身を引いている天才パティシエ(江口洋介)。この二人の交流を描くハートウォーミング・ドラマ。

洋菓子店コアンドル [Blu-ray]

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私は、料理関係の映画では点数が甘くなる傾向がある。それを差し引いても、この映画は単なるフード映画にとどまらず、人間の深い部分を描いた作品に仕上がっている佳作だ。なつめの成長譚であると同時に、トラウマを抱えた天才パティシエの復活のドラマにもなっている。ラストで海外へ修行に出かけることになった、なつめがスーツケースを引きながら一人で歩き出すシーンが余韻を残す。

江口と蒼井のダブル主演なのだろうが、やはり本作は蒼井優の映画というべきだろう。どうも幼い印象が残る蒼井の転機となった作品であり、彼女の魅了が溢れている。俳優は作品次第だなと改めて感じる。

蒼井がヘアスタイルをベリー・ショートにしたのは2012年なので、この映画の彼女はまだ髪が長い。トレードマークだったストレートのロングヘアがよく似合っていて、いまではその姿は貴重。それにしても、髪を切ったのはもったいない。

話は変わるが、現在放送中のNHKの朝ドラ「まれ」も、ヒロインがパティシエールを目指す話だ。テイストは随分違うが思わぬ共通点があった。先輩のパティシエールがヒロインに当初は厳しくあたるが、実はいい人という点だ。ツンデレ。この設定はこの類のドラマでは鉄板のようだ。

また本作で、なつめの働く洋菓子店のオーナーシェフを演じる戸田恵子が、「まれ」ではナレーションを担当していることにも注目したい。奇妙な縁というべきか。


『洋菓子店コアンドル』 予告編 - YouTube