退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『天才スピヴェット』(2013) / 弟の死を乗り越える天才少年のロードムービー

目黒シネマで映画『天才スピヴェット』(原題:The Young and Prodigious T.S. Spivet)を見てきました。

『アメリ』(2010年)で知られるジャン=ピエール・ジュネが、ライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」を実写化。ハリウッド映画とは違った、一風変わった映画に仕上がっています。英語劇ですがフランス=カナダの合作映画。

カウボーイの父(カラム・キース・レニー)と昆虫学者の母(ヘレナ・ボナム=カーター)の間で生まれたスピヴェット(カイル・キャトレット)は、モンタナの牧場で暮らす10歳の天才少年。スピヴェットの双子の弟が事故死を遂げ、それが原因で家族仲はギスギスしている。その事故が彼の心にも暗い影を落とす。

そんな中、スピヴェットにスミソニアンから権威あるベアード賞受賞の知らせが届く。永久機関の発明が評価されたのだ。

スピヴェットはワシントンDCで開かれる授賞式に出席するため家出を決意。数々の困難を乗り越え、様々な人たちと出会いながら授賞式までたどり着き、受賞スピーチで「真実」を告白するしようとする。最後は家族の絆を取り戻し大団円という話です。
The Young and Prodigious Spivet International ...

この映画の見どころは、スピヴェットの心象を描いた独特のテイストの映像。監督が3D映像に初挑戦したことで話題になった映画なので、本当は3Dで見たかったが今回は2D映像。公開時見逃すと3Dで見る機会がほとんどないのは残念。アタリかハズレが分からないのにチケットも高いしね……。

またロードムービーとしての魅力も見逃せません。スピヴェットは、モンタナから東海岸までを貨物列車やトラックでほぼほぼ大陸横断します。その行程での壮大な風景はアメリカの大きさを感じさせられます。とくに鉄道のシーンは鉄ヲタも納得です。もっとも監督はアメリカ嫌いで、ロケはほとんどカナダで行われてとのこと。

俳優では、主人公を演じたカイル・キャトレットがすばらしい。なぜか劇中で三節棍の演舞を披露していましたが、武道大会のチャンピオンらしい。なんかスゴそうです。利発そうな少年で大器の片鱗を感じます。

また、スピヴェットを授賞式に招待した、スミソニアン協会の副会長を演じたジュディ・デイヴィスもよかった。スピヴェットを取り込もうとし、「金脈」を見つけたと喜ぶあたりが素敵。
The Young and Prodigious TS Spivet

余談ですが、この映画は、予告編を見て公開時に見に行こうと思っていましたが上映館が少ない。と思っていると近所のシネコンで上映していることが分かりました。しかし、なぜか割引対象外。しかも2D上映……。さすがに定価で映画見るほと余裕はないので、スルーして名画座でようやく見ることができました。

この映画は、ちょっと変わった映画なので万人に薦めるのはためらわれますが、『アメリ』が好きな人は楽しめるでしょう。少年の成長端としても見応えがあります。

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