退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

オールナイト「春爛漫のキングギドラまつり」 @新文芸坐

先日、新文芸坐のオールナイト「春爛漫のキングギドラまつり」を見てきました。今年1月に開催された「新春メカゴジラまつり」に続く東宝怪獣映画の企画です。上映作品は次の4本。

  1. 三大怪獣 地球最大の決戦 (1964年、本多猪四郎
  2. ゴジラvsキングギドラ(1991年、大森一樹
  3. ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年、金子修介
  4. モスラ3 キングギドラ来襲(1998年、米田興弘)

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三大怪獣 地球最大の決戦 (1964年)

キングギドラが初登場した「ゴジラシリーズ」の第5作。かつて金星文明を破壊したキングギドラが隕石になって地球に来襲。それを予言したサルノ王女(若林映子)は、実は金星人の血を引くという設定。さらに王女の護衛に就く警視庁の刑事(夏木陽介)との間に恋が芽生える。これは『ローマの休日』をモロパクリ。恥ずかしくなかったのかな。

見どころは、モスラゴジララドンに力を合わせてキングギドラと戦うように説得するし、そのやり取りを小美人(ザ・ピーナッツ)が人間たちに通訳する場面。まるっきりマンガ。そして人類の脅威だったゴジラが人間のために戦うという日和見は物議をかもした。

そもそもキングギドラが地球に来た目的が説明されないし、キングギドラゴジラたちに敗れてどことなく飛び去るがどこに行ったのか不明。すっきりしないことが多々残るが、ゴジラの強敵・キングギドラの初登場作品として記憶されるべき作品である。

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ゴジラvsキングギドラ(1991年)

ゴジラシリーズ」の第18作。今回上映された4本のなかでは最も楽しめた作品。

23世紀から未来人がUFOに乗ってタイムワープして、現代の日本にやってくると着想がすごい。その目的は21世紀に復活して日本の脅威となるゴジラを、過去に遡って抹殺するというもの。しかしその真の目的は、ゴジラを取り除くことでギングギドラを復活させ23世紀には超大国になった日本を消耗させることだった。日米貿易摩擦外交問題になっていた頃の世相が感じられるが、いまの日本の凋落ぶりを見れば心配無用……。

さて出演者に目をむけると、ヒロインである中川安奈が善玉の宇宙人を演じていることに注目したい。メカキングギドラを操縦している姿がなつかしい。また悪玉の未来人をチャック・ウィルソンが演じていて、ひと目で悪役だとわかるのが可笑しい。

この映画の肝は、戦時中、現代、未来をタイムワープしながら展開する本作のストーリーだろう。ゴジラシリーズのなかで飛び抜けてユニーク。終盤には未来でサイボーグに改造されたメカキングギドラまで登場する。そして未来人のアンドロイドが完全にターミネーターのパクリなのは愛嬌か。サービス満点で最後まで飽きない。好きな映画のひとつ。
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ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年)

ゴジラシリーズ」の第25作。第3期「ゴジラシリーズ」の第3作。平成ガメラ3部作の金子修介が監督したことで話題になった。

『護国聖獣伝記』の著者である老人(天本英世)は、「ゴジラは太平洋戦争で死亡した人々の怨念の集合体」と言い、ゴジラを倒すのは伝記に登場する護国聖獣であると唱える。しかしゴジラは護国聖獣であるバラモンモスラキングギドラを次々に破っていく。

この映画では、BS局のリポーター立花由里を演じるヒロイン・新山千春が際立っている。男前すぎるぜ。自転車に乗ってゴジラを追いかけるシーンがとくにいい。怪獣映画にはヒロインが不可欠。

そして立花の父親(宇崎竜童)が防衛軍の准将。そのおかげで自衛隊の兵器を堪能できるのはこの映画の美点。宇崎はまったく軍人に見えないのだが、最後はなぜか准将自ら潜航艇を操縦してゴジラを撃破する。浮上した潜航艇のハッチから出てくる姿はなかなかかっこいい。護国聖獣が敵わなかったゴジラを人間が自力で撃退するのは爽快感がある。

モスラ3 キングギドラ来襲(1998年)

平成モスラ3部作の最終作。おそらく初見。モスラが主役なのでゴジラは登場しない。

冒頭エリアス3姉妹(羽野晶紀、小林恵、建みさと)が登場するが、前作を見ていないのでポカーンとなる。黒い衣装でひとりだけ異物感があった羽野晶紀が悪役かと思ったら、この映画ではそうでもなかった。紛らわしい。

そして日本にキングギドラが突然出現してなぜか子どもたちを次々にドームに連れ去っていく。エリアス姉妹が呼んだモスラキングギドラを迎え撃つもあっけなく敗北。そこでモスラ中生代にタイムトラベルして、地球へ襲来した時のキングギドラ幼体を倒す戦法をとる。

しかし中生代の戦いにおいても、モスラキングギドラを完全に倒すことはできず、再びキングギドラが現代に出現する。ビンチと思いきや、中生代から1億年の眠りを経てモスラの繭が現代に出現し、鎧モスラとしてキングギドラに戦いを挑む。といった話。

よくわからない設定が多いのだが、見どころは恐竜時代のモスラキングギドラ(幼体)との空中戦。モスラが存分に飛行している姿を見ることができるのは貴重。またキングギドラの成体と幼体のちがいを比べてみるのも一興か。

中生代では恐竜がCG映像で登場するが、これは「ジュラシック・パーク」シリーズの影響だろうか。パクリなのにCGがしょぼいのは涙なしには見られない。

まとめ

メカゴジラに続いて、キングギドラもオールナイトで見ることができたのは僥倖。やはり怪獣映画はスクリーンで見るに限る。こうしてまとめて「ゴジラシリーズ」を見るといろいろ発見があって楽しい。これに続く企画はモスラ特集になるのだらろうか。

昔からハリウッド映画の影響を受けていたことがよくわかる。パクリ放題だ。まあハリウッド版『ゴジラ』がつくられるぐらいなのだから、日本が少しぐらいパクってもいいだろう。

最近、東宝が2016年夏に公開予定の「ゴジラ」シリーズの新作映画の総監督・プロデューサーを庵野秀明が、そして監督・特技監督樋口真嗣氏が務めることが発表された。「エヴァ」をどうするのかという懸念があるが、やっぱりゴジラのオファーを断るわけはないよね。大いに期待して新作を待ちたい。

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