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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」 @世田谷文学館

世田谷文学館で開催中の「岡崎京子展」を見てきました。ズバリ必見です。

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岡崎京子さんは1980〜1990年代を象徴する、都市に生きる少女の日常、バブル期の女性の欲望や不安を描くのを得意にしていたマンガ家です。来場客はやはり女性客が多いですね。

岡崎さんは1996年に不慮の事故により活動を休止しているため、若い世代はリアルタイムで彼女の活躍を知らないでしょう。それでも会場には若い方もちらほら見受けられました。これは沢尻エリカ主演で実写映画化された『ヘルターケスラー』(2012年)の影響かもしれません。館内にはベビーカーを押している人もいて、きっと少女時代に読んでいたのだと思うと、やはり時代が流れたことを感じさせらます。

展示会場は世田谷文学館の展示会の流儀に沿って、年表や学生時代の創作から始まり、大きく引き伸ばされたイラストでインパクトを与えて、作品ごとの大量の原画と続きます。そして映像化された作品の関連資料で締めるといういつもの流れです。順路の終盤に撮影可能な『ヘルターケスラー』のラストシーンを再現した展示がありました。
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原画のほかで目を引いたのは、時代を感じさせる多数の掲載誌です。マンガだけでなく本人が登場している雑誌類の展示が貴重に思えました。モードに生きていたマンガ家だったので、『ヘルターケスラー』が映画化されたときも、映画と原作では時代の感覚がずれているなと感じたことを思い出します。とりわけ時代性の強いクリエーターと言えるでしょう。

館内には岡崎さんが出演したテレビ番組「ゲバゲバゲリラ」(1990年放送)を再生しているコーナーがありました。いとうせいこうとの対談で動いている彼女を見ることができます。これはなかなか貴重。それにしても、いとうせいこうが若い。
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会期終了まであとわずかですが、当時彼女の作品を読んでいた方はぜひ足を運んでみてください。きっと何か得るものがあるでしょう。どうしてもムリだという人には、この展示会の図録が市販されています。参考まで。

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