退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『みゆき』(1983) / あだち充のコミックの実写映画化 すわっ、井筒和幸監督の黒歴史か!?

東京国立近代美術館フィルムセンターNFC)の《自選シリーズ 現代日本の映画監督3 井筒和幸》で映画『みゆき』(1983年)を鑑賞しました。あだち充の同名コミックの実写版。

この映画は以前見たとき、制約の多いアイドル映画だということも差し引いても、「これはひどい」と思った記憶が残っています。それでも今回見に行ったのは、なんといっても三田寛子です。さらに、DVD化されていないこの作品をNFCのような大劇場で見る機会は二度とないだろうこと、そして年月を経た現在見ると作品を再評価できるのではないかという淡い期待からです。

しかし評価に変化なし。やっぱりひどい。日頃、映画を辛口批評している井筒監督に「おまゆう」と言いたくなる作品です。監督は原作コミックを読んで「内容のなさにあきれた」と語ったそうですが、あだち充のラブコメですからね……。ストーリーは次のとおりです。

高校生の若松真人(永瀬正敏)は同級生の鹿島みゆき三田寛子)と相思相愛の仲。だが夏休み、6年間カナダで暮らしていた血の繋がらない妹の若松みゆき(宇沙美ゆかり)が日本に帰国する。主人公・若松と2人の「みゆき」との三角関係を描く青春コメディ。なお、映画にはサッカー選手の沢田優一は登場しません。

映画は海水浴場のシーンから始まりますが、どんよりとしていて画面から暑さがまったく伝わってこない。雰囲気が寒々しいですね。ここでもうダメだなと思いました。こうした細かいことを指摘するとキリがないので、原作と比べて2点だけ納得できなかった点を指摘しておきます。

ひとつめは、鹿島みゆき(三田)の黒ビキニがなかったこと。「みゆき」と言えば黒ビキニでしょう。ここをはずしてどうする? コミックの絵柄はこんな感じです。
みゆき 10 (少年ビッグコミックス)

ふたつめは、真人(永瀬)がパンティを手にしたときに「ムフ(ハート)」と言わせなかったとこと。当時の観客も「そこは、あだち充的にムフッだろ!」と突っ込んだにちがいありません。

まあ、それでも三田寛子の入浴シーンがあったので、よかったことにしましょう(自己正当化)。そもそもアイドル映画はそんなものでしょう。
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なお今回、監督が「『みゆき』だけではオレの沽券に関わる」と思ったのかどうかわかりませんが、本作のほかに『TO THE FUTURE 』(2008年)という短編が同時上映されました。こちらについては別記事で書きたいと思います。

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