退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ペーパーチェイス』(1973) / ハーバード大学ロースクール1年生の青春映画

映画『ペーパーチェイス』(1973年、ジェームズ・ブリッジス監督)をDVDで鑑賞。舞台は名門ハーバード大学ロースクール。新入生のハート(ティモシー・ボトムズ)が、他の学生とともにひたすら成績上位を目指す姿が描かれる。

米国では、最難関のハーバード大学ロースクールと言えども、卒業後のキャリアが大学の成績に左右されるところがミソ。なので学生たちはひたすら成績上位を目指す。大学入試が勝負の日本とは事情がちがう。エリート揃いのはずだが、講義についていけず自殺未遂を起こしてドロップアウトする学生が出るなど競争がきびしい。70年代のアメリカの大学の雰囲気も興味深い。

学業がキビシイにもかかわらず、主人公のハートは「契約法」の教授の娘と恋仲になる。「リア充、爆発しろっ!」と思ったが、現実はそれほど甘くなく早速学業に支障が出る。またクラスメイトとつくった勉強グループが崩壊するなど苦い経験もする。しかし最後は3日間ホテルにこもりガリ勉して、「契約法」の期末試験はAの評価を得る。ハートは優秀だった。

ラストでは成績通知書の入った封筒を開封せずに紙飛行機にして海に向かって投げる。この後、ハートはロースクールを無事修了して法曹になれるのだろうか。余韻のあるラストシーン。

この映画では、『スター・ウォーズ』を手がける前のジョン・ウィリアムズが音楽を担当していて劇伴がすばらしい。また、ごく個人的にはテレビシリーズ『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』の主演だったリンゼイ・ワグナーが教授の娘役を演じているのにも注目したい。


"Vida de un estudiante" (The Paper Chase) 1973 ...