目黒シネマの市川準監督特集で、映画『大阪物語』(1999年)を見てきた。今年は監督の七回忌にあたるらしい。
監督がCMオーディションで発掘した池脇千鶴のデビュー作。漫才師の両親(田中裕子、沢田研二)を持つ多感な少女が大阪でたくましく生きる姿を描く。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1999/12/17
- メディア: VHS
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
本作はずばり池脇千鶴の映画。大阪出身の人から見たらどうだかわからないが、彼女が大阪弁を含め、とても大阪の風景になじんでいる(と思わせる)。少女時代にはだれでも輝く一瞬があるのだろうが、この映画の美点は、池脇の旬の時期を見事にとらえてフィルムに焼き付けたことだと言える。
市川準監督のフィルモグラフィーを見ると、富田靖子、牧瀬里穂、田中麗奈などのブレーク前の成長期の女優を起用した映画が多いので、こうした映画を得意にしていたのだろう。
またこの映画では、夢路いとし、喜味こいし、浜村淳、今いくよ・くるよなど、本物の大阪芸人が出演しているのも見どころ。田中裕子と沢田研二が演じる夫婦漫才もなかなかんばっているのだが、やはり本物たちのオーラには敵わない。
見るべき点が多い映画だが、不思議とDVDがリリースされていない。今回の上映は本作を見る貴重な機会だった。今回、劇場では池脇が参加したトークショーがあったがスケジュールが合わずに足を運べす残念。ひと目、池脇千鶴を見たかったなあ。