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退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】『江川泰一郎 英文法の基礎』 / 60年前の中学英語の文法書

偶然、珍しい本を見つけました。著名な江川泰一郎先生の中学生向けの文法テキストの復刻です。初版発行は1956年とかなり古い本で先生が37歳のときの本です。さすがに時代を考慮して薬袋善郎による解説が追加されています。内容もイギリス英語に特化した解説を削除し、例文を一部差し替えたとのこと。

江川泰一郎 英文法の基礎

江川泰一郎 英文法の基礎

江川先生と言えば、オレンジの表紙の『英文法解説』の著者として知られています。受験のときにお世話になった人も多いでしょう。いまでも手元に置いてわからないことがあるとレファレンスとして頼りにしている本です。

英文法解説

英文法解説

一方、今回の『江川泰一郎 英文法の基礎』はレファレンスというより通読するべき本で、先生のていねいな語り口を楽しむ本です。初学者向けの文法書ですので、内容は最後にちょっと仮定法に触れるなどいまの中学生が習う範囲をやや超える程度です。あまり厳密な議論もないので読みやすくなっています。

世間には「やりなおし中学英語」といった本が溢れていますが、本書のような品位のある本で英文法の確認をするのもよいでしょう。ただし、書店に並んでいる参考書のようにカラフルでもなくレイアウトが工夫されているわけでもありませんのでお好みで。

書店などで江川先生の名前を見て本を手に取った「大きなおともだち」も多いでしょうが、そうした大人たちは本書の内容程度の英文法は身についているだろうから不要かもしれません。するとマーケットはどこなのだろうと思ってしまいます。またカバーのデザインがイマイチ。もっと内容に合った品位のあるデザインがよかった。