退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「SII、電子辞書から撤退」で思ったこと

セイコーインスツル株式会社(SII)は、2015年3月をもって電子辞書ビジネスから撤退することを発表した。プレスリリースは下のとおり。

同社が電子辞書ビジネス参入したのは1987年だというから、およそ30年間の歴史があることになる。プレスリリースによれば、撤退の理由は、電子辞書市場の縮小とともにスマホタブレットの普及で電子辞書の需要が期待できなくなったためという。

しかし、カフェなどでは電子辞書を使って勉強している学生は多く見かけるので、まだまだ需要があるのかと思ったが、ビジネスを取り巻く環境はきびしかったようだ。もっとも、同社はB2Cビジネスにそれほどこだわる必要もないという背景もあるだろう。

実は私自身も、SR-T5000という機種のSIIの電子辞書を長く使っていた。オフィスだけでなく、海外にも持っていった。ミドルレンジモデルだったので搭載されている辞書は大したことがなかったが、当時は大いに役に立った。何よりも電池が長持ちだったのよかったし、単4電池2本で駆動できるので海外で電池切れになっても簡単に調達できた。頼りになるガジェットだった。
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その後、もう少し本格的な辞書が必要になった。電子辞書を買い換えるより、パソコンで辞書が引ける方が便利だと考えて、EPWING規格の辞書を買い集めてシェアソフトウエアのJammingを利用するようになった。それでも外出時は引き続き電子辞書を持ち歩いていた。

だが、iPhoneを導入してからは、物書堂の辞書アプリを中心に買い揃えて外出時はiPhoneで辞書を引くようなり電子辞書は使わなくなった。これは今回のプレスリリースにあるとおりだ。

そうしているうちにSIIから、パソコンとUSB接続してパソコンから引ける画期的な電子辞書が登場した。PASORAMAとと呼ばれる機能だ。そのときは「オレが求めていたのはこれだ!」と思ったものだ。

しかし、Macをサポートするように要望したがついに叶わなかった。しかも少し古い電子辞書では、新しいWindowsをサポートしなかったりSIIの対応はイマイチだった。さらに新モデルはAndroidベースになり、Wi-Fiやウェブブラウザーを搭載するなど迷走を続けた。電池寿命も短くなり、そのうえ充電式になりかつての利点が失われた。

これは次期モデルまで様子見かなと思っていたが、今回、電子辞書ビジネスからの撤退が発表された。電子辞書メーカーのなかでは、SIIの電子辞書が硬派でいちばん好きだったが、このあたりが学生相手にもうひとつ訴求できなかった理由かもしれない。

余談。少し前までOED(Oxford English Dictionary)を搭載した、下のモデルがほしかった。値段はかなりこなれてきたとはいえ、このモデルはXPやVISTAしかサポートしないからPASORAMAは事実上使えないし、今後のサポートを考えるとどうしても二の足を踏んでしまう。もう少し考えてみよう。