退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『メンフィス・ベル』(1990) / 戦争映画かと思いきやジャニーズっぽい青春映画だった

8月は戦争映画を集中的に観ようと思っていたので、Huluで配信されていた映画『メンフィス・ベル』(1990年、監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ)を観てみた。

メンフィス・ベル [DVD]

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この映画は、第二次世界大戦中、ドイツ爆撃を任務としてイギリスに駐留していた爆撃機の部隊が舞台。この部隊では25回出撃して生還した搭乗員は帰国できることになっていた。爆撃機B-17F「メンフィス・ベル号」は25回目の出撃が迫っていた。この25回の出撃達成を戦時国債の販促の広報に利用するために士官が派遣されなど中央からも注目される。

いよいよメンフィス・ベルは最後の出撃を迎える。ドイツ軍の迎撃機や対空砲火により次々に僚機を失いながらも辛くも任務を達成し、満身創痍で基地に帰還する。大団円。まあそうした話である。

もちろん実話に基づくストーリーだが、どうも戦争を実感できない。戦争映画というより青春映画といったほうがしっくりとくる。それでも映像はなかなかの出来栄えで、爆撃機の胴体側面の銃座からの視点や、B-17Fの回転銃座の精巧な動きなど観るべきものがある。またドイツ軍を追撃を振りきりながら帰還を急ぐ場面は、西部劇で幌馬車でインディアンの追撃を振り切るシーンを思い起こさせる。

搭乗員には、マシュー・モディーン、エリック・ストルツ、ビリー・ゼイン、ハリー・コニック・ジュニアといった当時の若手スターが共演しているので、追いかけてみるのもおもしろい。いまとは体形がかなり違う人がいるのは愛嬌か。さすがにみんな若い。

ひとつ引っかかったシーンがあった。今回の爆撃目標は軍事工場。雲で目標を確認できないと、迎撃機との激しい戦闘中にもかかわらず「近隣の住宅地に爆弾を落とすわけにはゆかない。学校もあるんだ」などと機長が命令し、あくまでも雲の切れ目を探すシーンがあった。ずいぶん「良心的」だなと思ったが、無差別爆撃を繰り返した米空軍の士官とは思えない行動にリアリティが感じられない。これも史実なのだろうかととくに気になった。

Memphis Belle - Trailer - YouTube