退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

さよなら、新橋文化劇場・新橋ロマン劇場

2014年8月末をもって新橋文化劇場・新橋ロマン劇場が閉館します。閉館までまだ1か月ほど日にちがありますが、少し前に新橋ロマン劇場に出かけて別れを告げてきました。
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新橋文化劇場とは

新橋文化劇場は、新橋のガード下に立地する珍しい名画座で、隣に新橋ロマン劇場を併設しています。JR新橋駅烏森口から高架に沿って浜松町方向に歩いていくとすぐに見つかります。文化劇場では一般映画が、ロマン劇場では成人向け映画が上映されています。
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劣悪な上映環境

ガード下に映画館をつくるという発想がそもそも理解不能です。直上を電車が通過するたびに騒音だけでなく振動が伝わるという、イマドキあり得ない上映環境です。しかもスクリーン横にトイレの入り口があるという無理のあるレイアウトにも驚かされます。

さらに新橋らしく「シャー」という新幹線の騒音まで聞こえるというから驚きです。戦後まもなくならいざ知らず、この映画館がシネコンが乱立する2010年代まで存続できたのが不思議です。

外部から音が入ってくる映画館としては、地下鉄の音が漏れてきた「銀座シネパトス」、フィットネスクラブの音が漏れてきた「自由が丘武蔵野館」が思い浮かびます。いずれも閉館していますが、ここほどはひどくありませんでした。

この映画館には環境の他に常連客を惹きつける何かがあったでしょう。今回は、JR高架下の耐震補強工事のため閉館ということです。

にっかつロマンポルノ旧作上映館として

新橋ロマン劇場は、以前は新橋日活ロマン劇場と呼ばれていました。日活がロマンポルノのビジネスを終了してからは、にっかつロマンポルノ旧作と新日本映像の封切りが交互が上映されていた模様。常設のにっかつロマンポルノの上映館としては都内でも貴重な存在でした。
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そうした背景もあるので、最後は新橋ロマン劇場でにっかつロマンポルノ3本立てを見ることにしました。プログラムは次のとおり。なかなかナイスな3本でした。作品の感想は別の記事で書きたいと思います。

さよなら、新橋文化劇場・新橋ロマン劇場。昭和の哀愁を伝える映画館を体験できるのは、8月末まで。急げ!

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