退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

千葉真一主演『東京大地震マグニチュード8.1』(1980)を見ました!

シネマヴェーラ渋谷で開催されていた千葉真一特集「チバちゃん祭り!Sonny Chiba A Go Go!!」で、テレビドラマ『東京大地震マグニチュード8.1』(よみうりテレビ東宝映像制作)を見てきました。監督に西村潔が、また脚本には御大・笠原和夫の名前もクレジットされています。

このドラマは1980年に放送された、タイトル通り東京が大地震に見舞われるSF物です。テレビドラマとしては異例な規模で特撮が行われ、千葉真一主演というより特撮が主役のドラマです。特撮ファンではよく知られた作品ですので特撮好きは必見です。

今回は16ミリフィルムでの上映だったので、テレビドラマなのに画面が褪色しているという不思議な映像でした。CG技術が普及した現代では、本作のようにミニチュアを使った特撮が使われることはないでしょうから、当時の特撮技術を伝える貴重な作品としてフィルムが失われる前にソフト化してほしいところです。

さて、われらが千葉ちゃんは、大蔵大臣(岡田英次)の秘書の役です。庶民からの叩き上げで、将来は政界進出をも狙っている野心家です。

大蔵大臣は職権により地震が起こることをいち早く知ると、娘を米国に避難させようとします。千葉ちゃんは、大臣のタカビー娘(中島ゆたか)の渡米の手配をして迎えに行く途中、地下街の旅行代理店で大地震に遭遇します。そこで男に振られて自分さがしの旅に出ようと退職を申し出たツアーコンダクター(竹下景子)と出会います。ヒロインです。このドラマではややメンヘラ気味ですが、さすがに美しい。

紆余曲折の後、ようやく地震で壊滅した都心部が脱出した千葉ちゃんは、立川に設置された緊急対策本部に辿り着きます。そこで避難していた大蔵大臣と再会しますが、阿鼻叫喚のなか避難民が苦しんでいる現状をよそに、天下国家の空論をぶちあげる大臣に愛想を尽かして、ついに千葉ちゃんは大臣と袂を分かつことになります。そこで大臣が千葉ちゃんに向かって吐く捨てゼリフがふるっています。「お前はもともと工事現場でヘルメットをかぶっているような人間だ。タコ部屋に帰れ!」というような差別発言。いまでは放送できない演出ですが、館内ではウケていました。

その後、千葉ちゃんは避難民キャンプに戻り、竹下景子と一緒になることになります。そして廃墟となった東京をバックにドラマが終わります。

正直、映画館でテレビドラマを見せられるのはどうかとも思いますが、今回はいいものを見ました。貴重な作品ですので、機会があればぜひご覧ください。オススメです。
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