退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「恋はみずいろ」を追いかけて

「恋はみずいろ」(原題:L'amour est bleu)は、フランス語の歌詞を持つポピュラーソングで、1967年にユーロビジョン・ソング・コンテストで発表された。ピエール・クール (Pierre Cour) 作詞、アンドレ・ポップ (Andre Popp) 作曲である。

この曲は多くの歌手にカバーされているが、日本ではポール・モーリア(Paul Mauriat)によるアレンジでイージー・リスニング音楽として親しまれている。今回、この曲をふとしたきっかけ追いかけてみた。

事の始まりは加藤いづみ

加藤いづみのカバーアルバム「favarite」(2008年)を聞いていると、そこに収録されてた「恋はみずいろ」がすごく良かった。これは漣健児による訳詞のバージョンであったが、原曲ではフランス語ではどう歌われているのか気になって仕方がない。原曲にあたってみることにした。

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まずはクロディーヌ・ロンジェ

「恋はみずいろ」と言えば、まず思い浮かぶのはクロディーヌ・ロンジェ(Claudine Longet)である。さっそく、CDを借りてきた。そのまま、「恋はみずいろ」(1968年、原題: Love Is Blue)というタイトルのアルバムだった。米国向けなのだろう。

パリ生まれの彼女のフランス語の歌詞による歌唱はすばらしかったが、リーフレットを見るとなぜかリーフレットにフランス語の歌詞が載っていないない。「割愛」って何だよ……。しかも途中に英語のセリフも入っていて、イメージとちがう。

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ちなみに彼女は1976年にある事件を起こして数奇な運命をたどるが、それは別の話だ。

オリジナルにあたる

気をとりなおして、今度はオリジナルにあたってみることにした。この曲は、ルクセンブルクで開催された「ユーロビジョン・ソング・コンテスト1967」で、ヴィッキー(Vickey)の歌唱で発表され4位に入賞している。YouTubeに動画があった。ちょっとドイツ語っぽい歌い方だ。


Vicky Leandros - L'amour Est Bleu (Love Is Blue ...

CDをさがしてみると、「ボン・ボン・フレンチ・ベスト」(2011年)というオムニバス盤にオリジナルが収録されていれていた。今後はちゃんとフランス語の歌詞もついていた。よかった。もちろんネットにも歌詞はある(こちら)。

ちなみに、このアルバムは、「夢見るシャンソン人形」や「オー・シャンゼリゼ」などのフレンチポップの名曲を網羅していてなかなかいい。オススメです。

余談だが、「オー・シャンゼリゼ」の歌詞の「オー」は感嘆詞ではなく、aux Champs-Élysées であり、「シャンゼリゼ通りでは」程度の意味であることは知っておいてもいいだろう。

おしまい。