退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『空手バカ一代』(1977)

シネマヴェーラ渋谷で開催されていた千葉真一特集「チバちゃん祭り!Sonny Chiba A Go Go!!」で、映画『空手バカ一代』(1977年、監督:山口和彦)を鑑賞しました。

少年マガジンで連載されていた劇画『空手バカ一代』の映画化のシリーズ第3作。大山倍達を演じるのは、もちろん我らが千葉ちゃんです。原作にある大山のアメリカ遠征が、映画ではなぜか復帰前の沖縄に変更されています。

冒頭近く、百人組手を再現しているシーンがあります。好きなシーンです。千葉ちゃんが石橋雅史の道場に他流試合を申込みに行きますが、なぜか石橋と対戦する前に百人組手をやることになります。断ればいいのに。

しかも道場側は床に油をまき自分たちだけは足に松ヤニをつけて滑らないようにするという卑劣な手段にでます。それでも千葉ちゃんはピンチに陥るものの、あっさり切り抜けて石橋を倒して洋々と引き上げていきます。

沖縄遠征では、本物のプロレスラーと戦うシーンは迫力がありますが、リングのロープがゆるゆるでどうも萎えてしまいます。沖縄で相棒になる本郷功次郎は柔道経験があるらしく、なかなかカッコいいです。ほかの配役では、本作が映画デビューとなる夏樹陽子が出演しているのにも注目したいです。薄幸のヒロインです。お約束の拷問シーンもありますが、露出はありません。まあデビュー作ですからね。

そしてラスボスとの戦いでは、鏡の部屋が舞台になります。これはブルース・リーの映画で見たような気がしますが……。はっきり言って丸パクリです。いいのかなぁ。

千葉ちゃんの空手が堪能できる映画として無難な仕上がりの映画です。でも何かが足らない気もします。

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