退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ボディガード牙』(1973)

シネマヴェーラ渋谷で映画『ボディガード牙』(1973年、監督:鷹森立一)を鑑賞。千葉真一特集「チバちゃん祭り!Sonny Chiba A Go Go!!」のなかの一本。またもやソフト化されていない模様。

梶原一騎中城健による劇画を原作とするアクション映画。千葉ちゃんが空手の達人・牙直人に扮して大暴れする。ヒロインは渥美マリ大山倍達と門下生が稽古している場面あり。

冒頭、千葉ちゃんは乗り合わせた旅客機でハイジャック犯をブチのめして一躍脚光を浴びて記者会見を開く。「NHKは来ているかな?結構!」というギャグに映画館はややウケ。空手の後輩の渡辺やよいの家で「ボディーガード稼業」を始めて、依頼主・渥美マリがケタ外れの依頼料で護衛を依頼し契約成立。

マリを狙うのは麻薬密売を商売にするマフィア組織。マリと間違ってやよいが襲われる。得意の空手で応戦がするが敵わず、全裸に剥かれて教会の屋根の十字架の影に磔にされてしまう。スタイリッシュな鷹森立一監督らしい演出でサービスショット。やよいの立ち回りでは志穂美悦子がノンクレジットでスタントしてたという話も聞く。

その後、米兵相手に売春業を営む狂犬三兄弟・山本麟一、郷鍈治、滝波錦司も割り込んでくる。何が何やらわからないうちに、麻薬を巡る争いで登場人物がどんどん減っていき千葉ちゃんだけが生き残り、意気揚々と再び海外に旅立つという大味な映画になっている。

千葉ちゃんの身体能力はすごいのは分かるが、もっとドバーッと派手なアクションをやってほしい。あと、渡辺やよい様の出番があれだけなのも不満。全体的にもっとエロ成分もほしかった。

脱線するが、電子書籍が普及すれば、『ボディガード牙』や『新カラテ地獄変』といった昔好きだった劇画を自分のライブラリに加えられるかと思ったが、なかなかそういう世の中にはならないようだ。もう少し時間がかかるのだろうか。
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