退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

TVアニメ『健全ロボ ダイミダラー』にみる表現規制(なんちゃって)

GW中は宵っ張りの生活をしていたので、ニッポン放送の「中島みゆきオールナイトニッポン月イチ」を生で聞くなど、ふだん接することがないコンテンツに接する機会がありました。

そうしたなかで知人からススメられていたTVアニメ『健全ロボ ダイミダラー』を視聴。BS11で観たので見終わったら朝の4時。いいおっさんが何やってるんだと自己嫌悪に陥るが、勢いのあるアニメで「一部」で話題になるのも納得できる作品でした。

ぶっちゃけ「おっぱいアニメ」です。しかし侵略者から人類を守るという70年代の巨大ロボットアニメの伝統を踏襲した世界観が面白いし、ロボットを動かすためにはコックピット内でパイロットが女の子にエッチな行為を行うことで発生するHi-ERo粒子(ハイエロりゅうし)が必要という設定がバカバカしくて楽しい。ハードなSFアニメではなく、カラッとしたシモネタ満載のよく計算されたアニメ作品です。

このような「健全」なアニメですが、やはり自主規制による表現規制が適用されています。バストトップを隠すために〈謎の光〉が発生したり、浴室が湯気で充満していたりというお馴染みの表現です。パッケージメディアを買うと、全部見えるという都市伝説もありますが真偽の程は不明です。

深夜アニメ枠にこのような自主規制は必要なのかという疑問は常々感じていましたが、本作のような、吹っ切れたアニメ作品はこうした旧来の軛(くびき)から脱してほしかった。大きなお友だちが十分楽しめないじゃないか。まあ、規制には大人の事情があるのだろうでしょうが……。

さらに現時点のアマゾンを観る限り、パッケージメディアのジャケットまで自粛したデザインでつまらない。ペンギンの前しっぽも写ってないし。もっとエロく作れなかったのだろうか。このあたりにアニメ業界の限界を感じざるを得ません。無念。発売時にはもっとやってくれると期待したいです。

こうした規制で思うのは、地デジ化でインフラを更新するときに、かつて米国導入されたVチップのようなペアレンタルコントロールのプラットフォームを導入できなかったのかという疑問です。デジタル化なのだから、ハードウェアの追加なしでこうした仕組みを導入する好機だったのに見送られてしまいました。こうした制度には「表現の自由が侵される」という批判も多いわけですが、いい歳のおっさんが「ダイミダラー」を規制なしで楽しめることのほうが何倍も価値があるのではないだろうか(なんちゃって)。

まったくの余談ですが、このアニメの公式サイトはインターネット黎明期のデザインを彷彿させるデザインでおもしろい。また、遠藤正明率いる遠藤会が歌うオープニングテーマ「健全ロボ ダイミダラー」も往年のロボットアニメのアニソンのスタイルを継承しつつ、メタル調のアレンジでテンションがあがります。一聴の価値ありです。

健全ロボ ダイミダラー

健全ロボ ダイミダラー