退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『蠢動-しゅんどう-』(2013)

先週、新文芸坐の「気になる日本映画達〈アイツラ〉2013」という企画上映で、『蠢動-しゅんどう-』(2013年、監督:三上康雄)を観た。監督が「自分が観たい時代劇映画はない。だから、自分で創る」という信念で、自ら脚本・監督した作品。

どんな時代劇が監督の目にかなったかというと、本作のサイトには「切腹」「上意討ち」「仇討」という作品が並ぶ。今回のテーマにつながっていて納得する。

カテゴリに分類すればいわゆる武士社会の理不尽モノである。藩やお家のために藩士が理不尽に蹂躙されるというパターン。今回は藩の存続のために、幕府から遣わされた剣術指南役殺害の濡れ衣を着せられた若い藩士が主人公(脇崎智史)である。

若林豪目黒祐樹といったベテランはさすがだが、平岳大がすごくいい。しかし、主人公の親友の許嫁をさとう珠緒が演じているのはどうなんだろう。いくらなんでもトウが立ちすぎていないだろうか。

見どころは後半の大立ち回り。雪中での走る、斬るの大殺陣は圧巻。雪が鮮血に染まるかと思いきや、そんなことももなく形式美を追求するということらしい。

和太鼓の低音が腹に響く映画館が観るのがお勧めだが、それほど上映機会はないだろうから今回は貴重な機会だった。時代劇の衰退が叫ばれるなか、こうした本格的な時代劇が独立系が製作するのは最後かもしれないと思うとちょっとさみしい。

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映画『蠢動 -しゅんどう-』予告編 - YouTube