退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

最低賃金で募集してどこが悪いのか? ~参議院予算委員会の審議に思う~

共産党小池晃参議院議員の質問

発端は共産党小池晃議員の国会での発言だ。小池晃議員は3月4日、参議院予算委員会において、最低賃金対策について安倍首相に質問した。その審議の様子がサイト『しんぶん赤旗』(3月5日付)に、『ワタミ居酒屋 最賃と同額時給で募集 小池氏告発 体力ある大企業がこれではダメ』をいう記事が掲載された。

ワタミグループの居酒屋で、各都道府県の最低賃金と同額の時給でアルバイトが募集されていることが、4日の参院予算委員会小池晃副委員長の質問で明らかになりました(表)。小池氏は「十分に体力がある大企業が最低賃金ギリギリで雇用しているような状態を放置していいのか」と安倍晋三首相に迫りました。

 小池氏は、最低賃金に張り付く時給は中小企業に限らず、大企業のグループ企業でも少なくないと指摘。ワタミグループの居酒屋の募集時給について、47都道府県の店舗の調査結果を提示。このうち、13都道府県の店舗で募集時給が最低賃金と同額でした。

 同日の予算委には、ワタミグループ創業者で自民党参院議員の渡辺美樹氏が出席していました。ワタミの低賃金の実態が取り上げられると、数人の自民党議員が渡辺氏を探し始めましたが、すでに退席していました。

最低賃金で募集したらダメなの?

上の質問では「大企業は余裕があるからもっと高い賃金で雇え」と言っているようだが余計なお世話である。それぞれの企業の経営者がリスクをとって賃金を決めているのであって、審判を下すのは労働市場である。

最低賃金で強制的に働かせるわけでもなく、職業選択の自由は労働者側ににある。労働者がこの企業では金輪際働きたくないと思われたら労働力を確保できずに経営は成り立たない。

共産党は、大企業だからという理由で賃金を上げろと本気で考えるなら、企業規模ごとに最低賃金を定めれるように政治的に動けばいい。国会でのパフォーマンスは不毛でいい加減してほしい。人の懐に平気で手を突っ込むような議論はまったくくだらない。

渡邉美樹氏がFacebookで反論

国会議員が国会ではなくFacebookで反論するというのも意味不明だが、この件に次のように反論している。

先日の参議院予算委員会共産党小池晃さんがワタミのアルバイトは最低賃金と同額だと指摘した件。
 
同一のアルバイト募集のホームページで最低賃金ではない職種の募集もしています。
 
職業選択の自由は憲法で保障されている議論の大前提です。
 
そもそも共産国家でない日本は、あの企業で働きたくないと烙印をおされ、経営がなりたたないリスクとも、経営者は常に向き合っています。内部留保に関しても、中長期で企業を維持、発展させる責任が経営者にはあります。経営者視点の発想、事情が理解できない政治家がいるのも仕方ありませんが「レッテル貼り」によって、日々の政治活動や経営がブレたり影響を受けることはありません。
 
同じ国会議員として、この国を「成長させる政策」で対決したいと思っています。

ワタミ最低賃金ではない募集もある」という反論は的外れで、堂々と「この賃金がいやなら働かなくても結構!」と言えばいいだけ。

と言っても、企業イメージもあるからそれほど直截的は物言いもできないのだろうか。いまやブラック企業の代名詞とされる企業グループのイメージがこれまで以上に毀損することもないだろうから、堂々を自分の経営哲学を披瀝してほしい。

そのなかで国民のなかで議論が深まり、適性な賃金とはどのように決めるべきか考える契機になるだろう。まあ居酒屋チェーンのバイトの賃金が最低賃金に張り付いていたからといって、労働者全体の賃金を代表するものではないし、どうでもいいか。

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photo by Assassin.Chen